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階段をのぼり、上へと目指す。
見覚えのある鉄の扉。そこを開けると一面青く輝いた世界が見えた。

太陽の光が眩しくて、目を細める。

夏と思わせる暖かい風が扉を開けた途端、吹き抜けて髪がなびく。



「……」


言葉にならない感動が俺の中で生まれ、鳥肌となって起きる。


季節も、空も、天気もシュミレーションだが、何もかもが新しいので綺麗に見える。



俺はそのまま歩いてフェンスに寄りかかり、上を向く。




曇りのない快晴をしばらく見ていると、異変に気付いた。


「……っ」


気配を感じる。

それは先程階段をのぼってきた場所からしてきており、足の音も微かに聞こえてきた。



(授業中ってのもあるし、隠れようか…)


そう思い、扉の横にあるハシゴを使い、更に上へと進むと大きな貯水タンクがあり、その陰に潜み気配を消す。


すると、すぐに扉が開いて誰かが屋上に来た。


バタン、と大きな音をたてて扉がしまった。

足音が聞こえるので、やはり誰かが屋上に来たと言うことか。
タンクが壁となっているので、扉の方は見えないのだが。





───タンッ






ハシゴを使わずにいきなり俺がいる扉の上へと来た。

気配を消しているはずなのに、今いる場所がわかるというのか。

頭の中で混乱しながらも、空気の流れを乱さないように黙っていると、俺の正反対のタンクの場所で誰かが勢いよく腰を下ろした。


「…チッ、うるせぇな…」



機嫌が悪いのだろうか。正反対にいる人は舌打ちをする。

そして誰かと電話をし始めた時、運悪く俺の携帯が震えたのだった。




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あきゅろす。
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