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シドと挨拶をして、2日が経った。

今日は週の初めの日。今日から実習訓練が始まろうとしていたのだが。






「教官から岡崎君は出なくていいとの伝言よ。事情は教官から聞いたわ…」


ホームルーム中に、森屋先生からよくわからないがそう言われたのだ。…事情とはなんだろうか。

シドは森屋先生に全てを話したのか。ジッと森屋先生を見ていると、深刻そうにその重たい口を開ける。






「…持病を持っていたのね。なんであたしに言ってくれなかったの?」

「……?」

キョトンとしてしまった俺と、こっちを見て「え?」と言わんばかりに眉間にしわを寄せている高良と柳。


「運動したら喘息になって酷い時は痙攣を起こすって言っていたわ。あたしに言ったら教官をここまで連れてきたのに」


「…あ、す、すみません」

否定するわけにも行かず、適当に謝ると隣から吹き出す音が聞こえた。

柳を見ると、両手を口で押さえて肩を震わせながら静かに笑い、高良も前を向いて同じく肩を震わせ、腰を丸めて机に伏せていた。

ガヤガヤと教室が騒ぎ始めた。

「ンクククッ!千都ちゃんが持病、ねぇ〜?」


ホームルームが終わって森屋先生がいなくなってから、やっと笑いがおさまった柳は言いながら思い出しているのか、再び笑い始める。


「ま、見た目が弱そうだからな」

「…そうか?」


高良が俺を見ながら口角を上げている。


黒髪に黒目。髪の毛は全体的に少し長めだから、確かに印象からして目立たない方だと自分でも思った。

「んで、千都ちゃんはどうするの?」



そう、今日から実習訓練が始まるのだ。
しかも午前中となっていて、森屋先生に実践訓練の教室に来なくていいと言われた俺は何をすればいいのか分からない。

更に、課題があるわけでもなく、教室にいろとも言われていないので迷っていた。


「…あー、まだ学園の中がよくわからないから歩いて時間潰すか」


探検してみるってのも悪くはない。そう思った俺は柳たちの方を見て席を立つ。


「りょーかい。じゃ、其田行こうか〜」


実践訓練は特別な事情がない限り、欠席はできないことになっている。
それはこの先将来に関わってくる訓練でもあるため、情報屋の柳でも、学校に来ない高良もちゃんと来ているらしい。


「何かあったら連絡しろよ」


「ああ」


そう言って縦に頭を動かすと、それを見た高良は確認したのか前を向いて教室から出ていった。








教室の中は俺一人となったので行動する。

目的地は決まっている。…そう、青空が近く見える場所。






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あきゅろす。
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