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「ここに来て何をする」
SSクラスの養成学校に来て、俺は何をする?
平和にすることか?
平和にするならば、まずは自らの手で崩壊させてしまった主を倒さなければならない。
主を倒すこと?
だが、今の俺では劣性になった主を倒すことができない。
──そう、俺がここに来た理由。
「…強く、なるため」
時間はない。
俺が今ここにいるとしても、外の世界では外獣などによって秩序が乱れている。
改めて確認させられた俺は高良を見た。
「…そうか。なら俺はお前を強く出来るよう努力する」
「……?」
どういう意味なのか、わからず首を傾けていると先程までふてくされていたシドが割り込んで入ってきた。
「ったく、お前って奴ぁ理解力だけ劣ってるもんな。要するに友達が出来てよかったということだよ」
…ますますわからない。
「それにしても本部崩落とはなぁ…やっぱ主の仕業だったんだなー糞野郎が」
突然話を変えながらシドは疲れたのか床に座った。
「主の仕業?」
それは以前、シドが本部からいなくなる前に調べていたことなのだろうか。
気になってシドに質問すると、シドはめんどくさそうに無精髭を触りながら喋り始めた。
「んー実はな、本部にいたらわかると思うが…年々、外獣の出現場所が本部に近づいていたんだ。おかしいと思ってた矢先、主からの命令が下されたんだよ」
本部の上層部にいたシドに命令、か。
「命令とは」
俺が知らないということは、恐らく極秘任務だったのだろう。
「主に適合する3種の動物を見つけ、混交しろとの命令だ」
いつの間にか真剣な眼差しで見据えてきたシドに、俺は息を詰めた。
3種混交。
狼・蝙蝠・狐の3種を人間の中に取り込める。
「異常だ…」
前代未聞のことを主は実行させようとしている。
…いや、実行したのだろうか。
どちらにしろ主のやったことに変わりはない。
「もちろん俺は拒否していたが、命令違反となってギッタギタにされたっけなぁ…」
思い出に浸っているシドをみながら笑っている柳。
「ンクククッ…ボロボロになった実技教官を峰が助けたんだよ〜」
…なるほど。だからシドはここにいたのか。
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