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月は変わり、文月となった。


ここは時間と共に季節もシュミレーション化しており、夏が来ていた。

(暑いな…)

太陽の日差しは強く、学園を明るく照らしていた。

風の精霊も使っているのだろうか、たまに吹いてくる涼しい風が心地よい。


「…岡崎君、聞いてるかしら?」

……。

窓を見ていた俺は森屋先生の方へと顔を戻す。


するとクラスメイトはクスクスと笑いながらこちらを見ていた。

「しっかり聞いてよねー。もう一度言うわよ」

隣からは「千都ちゃんドンマーイ」と柳の声が聞こえた。

そう言って森屋先生は黒板に書いた字を読んだ。



「来週から実践訓練が始まるわよ。1、2年生は毎年この時期から始めて学期が終わるまで実技の授業があるの」


森屋先生は詳しい内容を黒板に書きながら説明する。


「実践訓練は実際に本物の武器をもって1対1で戦うの。対戦相手は1年A組、私たちのクラスの2年A組、そして3年A組の誰かとあたるわ」


A組同士で対決、か。
…ああ、拓巳先輩が言っていたな。

そう思いながら黒板を眺めていた。


「岡崎君は初めてだから明日ぐらい迄に実技教官に挨拶しといたほうがいいかもね」

「……はい」

「俺らが案内してあげる〜」


机に伏せていた柳がいきなりこちらを向いてニヤニヤと笑みを見せながら言った。


「…俺ら?」

「其田も行こうよ〜。(ゴニョゴニョ…もしかしたら千都ちゃんの武器とか見れるかもしれないよ〜)……ね?」


会話の途中から高良と柳は耳打ちを始めた。

「……?」

俺は首を傾げていたが、耳打ちを終えて柳が悪戯っぽい笑みをしながら高良を見ていた。


「……ああ、俺も行く」


一体どんな会話だったのだろうか。

そう思いながら2人を見ていた。





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