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それから橘先生が精霊魔法を使い一瞬で保健室へと到着し、ゆっくり過ごしていると廊下が騒がしくなる。



そして保健室の扉が勢いよく開かれると、そこにいたのは懐かしい友達。



「千都ちゃん!!」

「っ、千都…」




「あ、やな…うわっ!」

柳と高良は俺の座っていたソファまで走り、タックルのように抱きついてきてそのままソファがたおれる。


「いってぇ…千都、大丈夫か?」


額を押さえながら高良はこちらを見る。


「いたたた…千都ちゃん?!ホントに千都ちゃん?!」


同じく額を押さえている柳。


ソファが倒れたせいで床にぶつけてしまったのだろう。


「ああ、大丈夫だ。高良、柳…心配かけてすまなかった」


「…無事でよかった」

「次は必ず千都ちゃんを守るから!絶対に!」


3人立ち上がった後、頭を下げた俺。




その時2人が泣きそうになっていたのを俺は知らない。



シドにも挨拶をしようと、高良と柳と3人で鍛練所と向かう。

するとそこにはシドの他に拓巳先輩もいた。




「千都!無事か?!」


拓巳先輩が駆け寄り、その後にシドもこちらへとやって来る。

「もう大丈夫です。心配かけました」


そう言うと、拓巳先輩は嬉しそうに俺の頭をわしゃわしゃと撫で始める。


「てか3種混合の優性なんて初めてみたぜ?なぁなぁ…どんな感じなんだ?」


どんな…感じ、なのだろうか。


感覚はいつも通りだと思っているが、体は軽くなったと思う。
それに先程陽先輩との戦いで
気付いたけれど、反射神経がよくなっている。

感覚が鋭くなったというのは自分でもわかった。




「普通、ですけど…でも何か違う感じです」


「千都ぉ、後で調べさせろよー?」



拓巳先輩と話していると、先輩の後ろからシドの声が聞こえた。



「やっぱり今な」

「え?」



喋ったと思いきや今度は俺の前に来て、一番上まで閉めていた制服のチャックを胸まで開ける。


「2つの封印術か…なるほど」

「「??」」

ぶつぶつ言いながら納得しているシド。その前には頭にハテナマークをたくさんつけながら首を傾げている俺と拓巳先輩。


「教官説明してくださいー」

「あぁーん?めんどくせぇよ」

「いいからいいからー!」



いつの間にか仲良くなっているシドと拓巳先輩。

拓巳先輩の説得でシドはハットを取り、頭を掻きながら説明し始めた。



「あー…まぁ、蝙蝠や狼、ましてや人間が3種混合するなんて無理なんだよ」


そう言って、近くにあったホワイトボードへと向かい、ペンを使って書き込みながら説明してくれる。





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