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「……」
再び目を開けると、白い天井と2人の顔が視界に入った。
「あ、千都ちゃん!千都ちゃん大丈夫?!」
柳が俺の両肩をゆすって視界が上下にぶれる。
「鴛鴦、千都死ぬだろ」
「……」
いや、それだけでは死なないと思うのだが…。
そう言おうとしたが、柳が揺さぶったせいで頭がクラクラしてきて言う気が失せた。
「千都ちゃんいきなりぶっ倒れるんだもん〜!大丈夫?」
「…大丈夫。それよりここ…」
周りを見てみると自分の部屋ではないことに気付く。
「ここは保健室だ」
近くのソファで寝ていた高良が起き上がり、ベッドで寝ている俺の顔を覗く。
「いつもいないもんね〜アイツ〜」
柳が後ろを向きながらそう言った。後ろには保健の先生がいつも座っていると思われる机と椅子がある。
保健室の殆どが白を基調としており、どこか寂しい風景に見える。
柳が言っていた"アイツ"とは保健の先生のことだろうか。少し気になったが、また今度聞けばいいだろう。
「千都ちゃん歩ける〜?」
保健室で長居する理由はない。時計を見れば夕方の6時を迎えており、窓を見れば日がだんだんと沈み始めている。
少し寝たせいか先程よりは体が軽い。
俺は体を起こし、丁寧に揃えられている上靴を履く。
上の制服は脱がされていないので首に噛まれたことは恐らくバレていないだろう。
「…ん、ありがとう」
体を支えてもらい、両サイドに高良と柳が付き添ってくれた。
「熱っぽいかもね〜」
「育成大会の疲れが出たのかもな」
二人に心配をかけてしまい申し訳ないと思ったが、嬉しさが少しあってなんとも言えない気持ちになった。
そして3人で喋りながら寮へと戻り部屋に着いてみんなと別れ、そのまま休んだのだった。
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