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終わらない恋になれ(仁王雅治)










君を愛した俺の負け。












最初から結果がわかっていたはずの恋だった。

君の漆黒の瞳で見つめられ、

君の白い肌に包まれ、

君の赤い唇と自らの唇触れ合わせる。

俺が欲しくて欲しくて、必死に手を伸ばしても届かなかったもの達を、あいつはずっと持っていた。


「丸井……、なんでじゃ?」


君の漆黒の髪と丸井の赤い髪が教室の片隅で揺れている。

俺はいつもそれを見ている。

穢れた目で友伽里を見つめては、溜め息を吐く。

そしていつも、そんな俺に気付いて、2人は笑いかけてくれる。


『におー!』

「お前も来いよっ!」


本当に、困ったカップルじゃ。

だけど嫌いにはなれない。

俺はもしかしたら、こいつら2人が好きなんじゃろうか。


『仁王は大人だからビターね。ブン太はミルク。』

「なっ!俺だって飲める!……まぁ、ミルクのが好きだけどよぃ。」

『あははっ!性格歪み過ぎ!ね、仁王。』

「ククッ、そうじゃね。」


ほら、やっぱり。

“大好きな君が笑ってくれるなら”とか、そんな大人な理由じゃない。

俺はこの空間が好きなんじゃ。

そりゃ、友伽里を独り占めしたいし、友伽里と手だって繋ぎたい。

だけど……。


『ほらっ、行くよ!』

「あーもー、おら、仁王も行くぞ。」

「はいはい。」


別に壊してやろうなんか思わない。

寧ろ、続けばいい。

俺が友伽里と恋人になることで、この関係が壊れるのは嫌だ。

だから、

友伽里と丸井が恋人で、

俺が友伽里を好きで、

それでいいんだと思う。

そう、願わくは、

どちらの恋も、











終わらない恋になれ
(俺はずっとお前さん達が好きじゃ。)


2010/12/10


あきゅろす。
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