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先生、
先生、立候補します。








「今から係を決めますね。誰か立候補無いかな?早い者勝ちね」





にこりと笑う先生


教壇の端に立ち、腕を組み、教室全体を見回している






「勉強、ありますし…」






「今年は受験だもの」






「めんどくさい…」






我クラスは
所謂(イワユル)、進学クラス


中学3年という大事な時期には、皆、大抵勉強だ


係なんてやってられないのだろう


でも、私は違う






『先生、』




スッと腕を伸ばした




『学級委員、やります』




私は頭なんか気にしてない。
寧ろ、高校なんかどうでもいい。


それより先生との時間が欲しい






「本当かい?」




先生は、私を見てる





だから愛想が良く見えるようにニコッと笑った



隣で親友の百合が笑ったのがわかったけど、今はそれどころじゃない




先生の目に、私だけが映ってる



この瞬間だけでも



嬉しいかも






『頑張ります』






「色々とお世話になるよ」





私は、どうしても先生に見てほしくて、係を二つも受けた


学級委員と保健係




学級委員の最初の仕事は、先生の話によると、学校案内らしい。




先生は来たばかりだから、だそうだ。





願ってもないチャンス




「歩美!ファイト!」




『うんっ!』




百合は、小さく私にガッツポーズをした



百合は保険医の真田生先生と付き合ってる



真面目で男らしいところに惹かれたって


私は素直に二人を受け入れたんだ



今度は私が頑張らなくちゃ







約束の時間は昼休み




さて、どうしたものか




四時間目の授業なんか
耳にすら入ってこなかった










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