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飴玉注意報
お返しはチョコレート?









「…ブンちゃん…暑いぜよ」






「だ、だ、だってよぉ」





今日は日曜日

珍しくブン太が街に行こうと言うので、仁王は軽い足取りで家を出た



で、



今は街に来ている



が、





ブン太はいっこうに、仁王から離れようとしない。





「慣れていないにも程があるぜよ」





いわゆる、ウィンドウショッピング。


今日ブン太は、雨の日の彼女に傘と飴のお礼をするために来たのだ


勿論、入らなくてはいけないのは雑貨屋など


いつも入る筈のスポーツ店を通りすぎ、仁王の後ろにくっついて雑貨屋に入る



見慣れない光景

ピンクや赤、目がチカチカしてくる






「何にするん?」






慣れたように、仁王がアクセサリーを手に取り、振り返った







「……(ポーチ1200円!高っ!)」





今のブン太には仁王の質問など、耳に入っておらず、品物を手にとっては目を丸めていた


所詮、中学生。
買えるものは限られてくる






「おーい、ブンちゃーん」




仁王は手をブン太の前で左右に振った





「あ、おう!」




パッと手に持っていたポーチを元に戻し、仁王を見るブン太






「はぁ…で?何買うんじゃ?」






「お、お返し!」





顔を赤らめたブン太に、仁王は呆れたように言った





「それはわかっちょる。品物ぜよ。し、な、も、の!」




ブン太は、ああ、と頷き、辺りを見回した






「何かお探しですか?」





店員が声をかけてきた、


ブン太が更にテンパったのが分かったのか、仁王がすかさず






「女性へのプレゼントなんじゃけど…」





ちらりと店員を見つめると、店員が






「なら、リングなんていかがでしょうか?」







「お、俺達、そんな仲じゃないぜぃ!?」





リング=恋人

ブン太の思考は少し古いようだ

どこか、真田を思わせる台詞に、仁王は顔をしかめてブン太に言った






「じゃあ何にするんじゃ?」






冷ややかに言い放した仁王に焦ったのか、ブン太が悩みに悩んで、あ、と呟いた






「チョコ!チョコレート!」






顔を輝かせたブン太を見て、仁王はニヤッと笑った






「ぷ、ブンちゃんらしか」





「だろぃ?」






二人で笑った後、店員に、一番可愛いチョコレートを下さい、と頼み、店内をブラブラした







「あ、」





ブン太が、店内から外を見ながら呟いた





「ん?どうしたんじゃ?」






仁王も、外に目をやった







「あれ、あの子の学校だ。初めに会った時にあの制服着てた」






ブン太が指を指すのは、女の子ふたりぐみ






「あ〜…」





仁王が少し躊躇いがちに言葉を発した







「どうしたんだよぃ?」






ぷくっとガムを膨らましながら、ブン太が尋ねた







「あれ、超お嬢様学校の制服じゃよ。」





苦笑いしながら、仁王が言った







「……まじ?」





知らなかった






「………チョコじゃ、ダメ?」





ブン太が、ちらりと仁王を見た






「………いいんじゃなか?」







神様、
彼女は超お嬢様学校の生徒のようです。



お返しはブランド物にしないとかな?




でも、1つ、また近づけた









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