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飴玉注意報
気持ちはドキドキ








「おっはよ〜」





ガラッと見慣れた教室のドアを開け、自分の席につき、慣れた手つきで机の上にのっている綺麗にラッピングされた箱を袋に詰める







「なぁ、仁王」




どうやら箱は、女子からのプレゼントのようだ




「ん?なんじゃ?ブンちゃん」





ブンちゃん…
ま、いっか






「あのさ…俺、お前に感謝してっから」






仁王に話しながらも
手際よく袋に箱を詰める





「は?」





顔にクエスチョンマークを浮かべる仁王に、ブン太は、フッと笑い






「恋だよ、恋。」






誇らしげに腰に手を当てた





「…頭、大丈夫か?」






「恋、しちゃったんだよ!!」




ブン太は顔を赤らめ、何もなくなった机の上に顔を伏せた





「……で?相手は?」





ガバッと、待ってましたと言わんばかりにブン太が顔を上げた






「それがなっ!!知らねぇんだよぃ!」





二人の間には、かなりの温度差があると思う



ブン太はニコニコと笑いながら、仁王に話すが


仁王にしてみれば、バカじゃないのかと言いたくなるところ






「ブンちゃん…それ、意味、わかっちょるんか?」





恐る恐る聞く仁王に、ブン太は、またもや笑って答えた






「あ!髪ふわふわで、子犬みたいな子だった気がする!」





仁王は、手を額にあて、




「初恋っちゅうんは、難しいとよ…」




と、呟き、目線をブン太から外した




すると、目に入ったのは見慣れない赤い傘






「ブン…赤い傘なんか持っちょったかのぅ?」





触れようと仁王が手を伸ばすと、すかさず、ブン太の手が入ってきた






「ダメ!触るな!コレは、彼女が貸してくれた傘なんだよぃ」





ぽーっと赤くなりながら、話すブン太を見て仁王は、苦笑いしながら





「…応援するぜよ」





と、言って席に戻った








「はぁ…次、いつ会えるかな…」







ブン太は校庭を見ながら、ため息をついた





赤い傘は、お守りだ










あきゅろす。
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