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飴玉注意報
深まる二人









「ん、おいしい!」



『でしょっ!お友達が持ってきてくれたの!』



「そいつ、俺と同じくらい天才的だろぃ!」



『ふふっ』




二人の仲は急速に縮まった



お互いの名前

お互いの学校

好きな事

嫌いな事


これ以上は無いって位




「すっげぇ美味い!」



ケーキを食べながらニコニコ笑うブン太の頬に明菜は、手を添えた




『ついてるよ』




スッと細く白い指が頬に触れた



「あ、さんきゅ」




ブン太は顔を赤らめて、カシャンとフォークを皿に戻し、大袈裟に口元を拭いた




『ふふっ、もうついてないよ』




「お、おう!」




毎日が楽しかった

ただ、外には出られなかったけれど、ブン太は満足だった




『ね、ブン太くん』




「ん?」



ブン太は、ケーキを冷蔵庫に戻して、備え付けの椅子に腰をおろした





『退院したらさ、何か食べに行きたいね』




ブン太を見つめて微笑む明菜に、ブン太は満面の笑みで





「おうっ!楽しみだな!」



と、応えた。




『私、ブン太くんが何かを食べてる姿、好きだな』




嬉しそうに笑うキミを見れて、俺は本当に嬉しかった。

また、君と出会った時のように、否、それ以上に仲良くなれるなんて思ってなかったし




「さんきゅ!じゃあケーキバイキングとか行くか!」




君はにこりと笑った

こうなった俺は止められない




「駅前にな、天才的なケーキバイキング屋があんだよっ!」





『そうなんだ〜』





「おうっ!んでな、俺的にはショートケーキが美味くって…」





ケーキについてべらべらと話し続けるブン太を明菜は、笑いながら見ていた





『ブン太くん、ありがとうね』





「へ?」





いきなり明菜が、そう言ったので、ケーキの話を中断して顔をあげた





『ブン太くんが来てくれるから、すごく元気でる』





「マジで?」




素直に嬉しかった

好きな子にそんな事言われたら、誰だって嬉しいだろぃ?




『すごく嬉しい!…これからも一緒に居てね?』




「お、おう」




『ありがとう///』




俺たちは一番幸せだと思った


俺は恥ずかしさから、また、ケーキの話をし始めた







『あ、ブン太くん』




「ん?」




また、キミが声を発した




『明日、仮退院なんだ。3日間位だけど…だから明日は絶対来てね!絶対だよ?』




不安げに、でもしっかりと俺を見て





「当たり前だろぃ!」





『ありがとう//』





少しだけ、ほんの少しだけ期待したって良いだろぃ?



君が俺を見てくれてるって



だって、いい雰囲気じゃん?



周りから見りゃ、俺たちはカップルにしか見えないだろぃ?



好きなんだ



君の



君の全てが




だから俺だけを見て










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