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また会いたくて
COUNT:4









「おい、桜。荷物これだけか?」




『うんっ!』




「そうか。おいっ!この荷物を俺様の部屋に運べ!」



「かしこまりました」





あの日から私は景吾の家に住んでる

景吾が一緒に住もうって言ってくれたから




『今日はありがとう。』




「ふんっ、気にすんな」




『ふふっ』




幸せだった

景吾の隣に居られることが

景吾に見つめられることが




「気持ち悪ぃぞ。」




『だって〜』



景吾と居れるから



私がそう言うと
景吾が顔を真っ赤にした




「バカ」




『えへへ』




景吾の広い部屋に静けさが広がる


この部屋は二人でも広いのに、一人には広すぎる


ここで景吾は泣いてた


私を想って


ずっと独りぼっちで


それを私はずっと見てた


だからかな?


景吾の気持ちが痛いほど伝わるんだ



“傍に居て”



景吾の左手が、私の肩に回る

しっかりと掴まれてる

でも、その手は微かに震えていて

何とも言えない感情が支配する



桜は、ぎゅっと跡部の手を握った




「桜?」




『一緒に居てね』




「は?」




『ずっと』




「んなの、当たり前だろ」




『……そうだね』




言っちゃダメなのに




“今”の私に景吾と一緒にいる資格なんか無いのに


“今”の私は景吾を必要としてた




『幸せだよ、景吾』




「ああ、俺もだ」






ずっと一緒。


口にしないと消えていきそうで


涙が出た









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