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また会いたくて
COUNT:6









今日こそ景吾と話したい!

私は、その意気込みだけを持って学校へと向かった





『おはよ〜って、えぇ!?』



がっしりと腕を握られ、屋上へと続く階段へと連れてこられた。犯人は景吾。


何だろう。すごく怒ってる




「おい」



私が黙っていると、景吾が話しだした





『な、に…?』




以前では考えられないような冷たい目

景吾の青い瞳が怖い





「なぜ、昨日ホテルに行ったんだ?」




『え?』




予想していなかった質問に声が裏返った




「え?じゃねぇよ。だいたい…お前は誰だ」




ズキン



ああ、コレか、景吾がよそよそしい理由は。




『…桜だよ。』





涙が出そうだ

好きな人に信じてもらえないのは、予想以上に辛い





「嘘を吐くな!俺様をからかって楽しいか!?桜のフリをして、俺様に近付こうってか?アーン?笑わせんなよ!桜には、ちゃんと家があるんだよ!」




一気に怒鳴り散らした景吾は、肩で息をして、私から目線を外して言った






『景…吾』





「俺様を名前で呼ぶな!桜は…桜は居ないんだよ」





『……っ』





知ってる




だって私だもん



知ってるよ





「桜は戻っては来ねぇんだ!」





景吾が怒鳴り終えた刹那、私を後ろから暖かいものが包んだ





「跡部、それくらいにしぃや。みっともないで」





「忍足…お前、信じるのかよ」





『侑士…』





跡部は、忍足を睨んだ

しかし忍足は、怯む事もなく、桜の肩を抱いて言った





「桜が居ないって…一番信じてへんのは、お前や、跡部」




沈黙が流れた





「それと、ホテルに行ったんは、家がまだ引っ越し中やからや」





忍足は桜の手を握り、教室に戻ると言って、その場を離れた




跡部を残して







“桜が居ないって…信じてへんのは、お前や、跡部”





「はっ」




笑える



本当じゃねぇか




あの日、桜の木の下で
俺は桜を抱き締めたんだ無意識に。


もう離れて行かないように





「嬉しかったぜ?」





仕草も全部。


まるで夢をみてるみたいだった





「俺様が悪かった」





明日謝ろう。



そして言うんだ



離れて行かないでくれと。












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