SHORT
サンタさん大好きっ!(千歳千里)
ジャー
キュッ
「綾、大丈夫か?」
『う、ん。ごめんね、千歳。』
「気にせんでよか。」
『うん。』
只今、謙也の家でクリスマスパーティー中。
だったのだが、ケーキを欲張って食べた綾は、お腹が痛くなりトイレに籠もっていた。
「ぎゃはははっ!銀の頭に苺乗ってんでーっ!」
「金ちゃん、その位にしとき?」
「めっちゃ眠いっすわー。」
ガヤガヤと家の中がうるさい。
『このやろ…。』
「まぁまぁ、」
イライラする。
綾がケーキを食べ過ぎたのは白石達の所為でもある。
金太郎が沢山ケーキを食べていたのを白石が煽てあげ、財前が綾に勝負をしろと言い、ケーキ好きだった綾も調子に乗って勝負をした、と言う訳だ。
『ううっ、死ぬ…。』
「なんば言いよっと。」
ぐたりと倒れこむ綾を支えながら千歳は立ち上がった。
『ありがとうー。』
綾は千歳の手の平に顔をすり寄せた。
綾は千歳が好き。
暖かい大きな手が、
優しい瞳が、
安心感を与えてくれる。
『……。』
「なん?」
『ううん、何でもないよ。』
「変な子やね、綾は。」
目を細めて笑う千歳を見て、綾も笑った。
『千歳、あのね』
「ん?」
千歳は綾を覗き込んだ。
「千歳ー、電話やでー。」
「あ、今行く。綾、待っときんしゃい。」
『うん、』
また言いそびれちゃったな。
白石め。
「母ちゃんか?」
「違う、彼女たい。」
「ひゅー!彼女!」
「もしもし?」
叶わないのは知っていた。
優しい貴方が他の女の子のモノなんて考えたくない。
だから、
『千歳ー、具合悪いー!』
「はいはい。…じゃあ。」
『はやくーっ!』
「はぁ、綾は我が儘娘たい。」
少しの我が儘くらい、許して下さい。
貴方が好きだから。
サンタさん大好きっ!
(私だって、サンタが居るなら信じたい。)
2009/12/24
千歳は書きやすいです。
自分が九州弁なんで^^笑
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