[携帯モード] [URL送信]

SHORT
サンタさんお願い!




『ねぇ〜、跡部ぇ〜!』

「んだよ、気持ち悪ぃな。」


本を読みながら景吾は面倒くさそうに返事をした。


『私ね、欲しいものがあるの。』


そんな跡部を余所に綾は跡部の足にしがみついた。


「アーン?買えばいいだろうが。」

『お金じゃ無理。』

跡部がペチッと綾の頭にカードを4、5枚叩きつけたが、綾はブンブンと頭を振り、俯いた。


「じゃあ何が欲しいんだよ。」


溜め息を吐きながら跡部は本を閉じた。


綾は瞳を跡部に向けて軽く微笑んだ。


『景吾だよ。』


その言葉に跡部は真っ赤になり、視線を逸らした。


「は?」

『照れてる。』

「照れてねぇ。」

『嘘。』

「……犯すぞ。」


綾の髪をわしゃわしゃと乱して跡部は笑った。


『どーした?』

「いや、笑える。」

『?』


ニヤニヤと笑う跡部に綾は怪訝な目を向けた。


「今日はイブだ。」

『は?』


何が言いたいのか。

口元を押さえて跡部は笑いを堪えていた。


「さ、出掛けるか。」

『ちょ、さっきの何よ!』

「気にすんな。」

『もうっ!』


コートを羽織った跡部に綾は急いで着いていった。







サンタさんお願い!
(俺がお前のサンタになってやってもいいぜ?)


2009/12/24
クリスマス記念夢


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!