SHORT
恋模様(丸井ブン太)
『ブン太!覚悟!!』
バコンッ
「ったぁ〜!?」
鈍い音が購買部に響く
『あーっはっは!今日もメロンパンは頂いたぜ!』
綾が手に持っているのはメロンパン
ヒラヒラと片手を振りながら、ブン太から奪い取ったメロンパンをくわえる
「ちくしょ〜…お前!もう少し女らしくしろよぃ!」
叩かれた頭を擦りながら、ブン太が食い付く
涙目だ
『え?私、超女の子ですけど』
ニヤニヤしながら笑う綾
パタパタと廊下を走っていった
「あったまきたぜぃ!仁王!コレ持ってろぃ!」
一緒に居た仁王に財布を投げつけ、綾が走って行った方へと走りだした
「ブンちゃん、程々にするとよ〜」
こちらもニヤニヤしながらブン太を送り出す
「100%ですね」
「お、気が合うのぅ。お前サンもそう思うか」
柳と肩を並べ
ブン太を見送った
『きゃー!!来ないでよぉ!!』
「今日こそ返してもらうぜぃ!」
『甘いものばっか食べるから太るのよ〜!!デブン太!』
「デ…デブン太だ〜!?お前…許さないぜぃ!」
ドタドタとブン太から逃げる綾と
バタバタと綾を追い掛けるブン太
『嫌よ〜!』
ガシャンッ
「捕まえたぜぃ?」
気付けば屋上まで全力疾走し、フェンスまで追い詰められた
『…落ち着こうか』
恐る恐るブン太を見る綾
「俺のメロンパン返せ」
目が本気です
ブン太さん。
『〜っメロンパン、メロンパンってうるさいのよっ!バカ!』
「なっ」
開き直ったかのように突然怒鳴った綾
『メロンパンより私を見てよ〜!!』
うわーん、と声に出して泣き始めた綾に、ブン太はパニック状態だ
「えと、…なんなんだよぃ」
ポリポリと頭を掻くブン太
『ブン太のっ、気を引きたかったの!なのに…毎日毎日アピールしてたのに!ブン太は気付かないんだもん〜!!』
「んなっ///!もうちょっとマシなアピールしろぃ!」
そういうと、ブン太は綾を真っ赤になりながら抱き締めた
『///!?』
「俺だって好きじゃない奴にメロンパン捕られて黙ってる程バカじゃないぜぃ?」
好きだから怒らなかったんだよ
カシャン…
ブン太は、そういって今度はゆっくりと綾をフェンスに少し押して、唇を重ねた
甘い
メロンパンの味
恋模様
(メロンパンの甘さに比例して私達の恋の天気も甘くなるんだ)
「ブンちゃんやるのぅ」
「まったくだな…」
「あーっ!俺も綾先輩狙ってたんスよ!」
「たるんどるっ!」
「ちょっと黙ろうか真田…ってジャッカルが」
「俺かよっ!」
「貴方達は…静かに応援できないんですか…」
野次馬が居たのは
内緒
2009/5/18
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