SHORT
好きの反対、の反対
好きじゃ。
「だから、面倒臭くなったんじゃ。…離れてくれんかのう。」
ずっと一緒に居たいんじゃ。
『いやよ!雅治!私何かした?悪いところがあるなら直すから!』
悪いところなんか無か。
全部俺の我が儘なんじゃ。
「…お前、しつこい。」
『っ!』
仁王の眼は鋭く綾を射ぬいた。
誰もが怯んでしまう、この瞳。
『ごめ、なさ…い。』
綾は泣きながら去って行った。
「くくっ…、あーあ。」
仁王は綾の姿を見て笑いながら座り込んだ。
「何が悪いところがあるなら、じゃ。」
どうしてそんなに俺に必死になれる?
どうして俺を愛せる?
俺は他の女を抱いたのに。
「お前さんは……、」
気付いていたのかのう。
俺の本当の気持ちに。
「ずっと愛し続けるぜよ。」
例え君がやり直そうと言ってもやり直す事は無いが、俺はそれでも想い続けるぜよ。
好きの反対、の反対
(鋭い瞳に隠した弱さは秘密。)
2009/12/04
誕生日記念夢
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