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SHORT
傍にいれたなら






俺が綾の傍にいれたなら




綾が悲しむ事は無かったかもしれん




こんなダメな男でごめんな






ごめん














『雅治?』





「なん?」





目の前には車の装飾品やら何やらが散らばっている





『あの、…ね…』





力なく笑う君の腕には何と言って良いのかわからない程の深い傷があって



そこからは赤い鮮明な血が流れだしていた





『あたし…雅治、が、テニスしてる、の大…好きなんだぁ…』





「知っとうよ?」




俺は涙を流すよりも、君の言葉を聞き取る事に専念したくて





ふと君が目線を自分の腕に移したのがわかった





『雅治の腕じゃなくてよかった…』





「…ッ…すま…ん…」





君の綺麗な顔には全く傷はなかった




俺を庇って自ら道路に飛び出した綾





物凄く大きい衝撃だったと思う



何でまだ話そうとするん?




「やめんしゃい…もう…話すんやめい…」





『や…だよ、まだ…雅治と…一緒いたい…』





まだって



その時の綾は、もう終わりだと悟った様だった





でも君は助かった






ただ





腕は動かないけれど







「ごめんな…」







まだ一緒にいたいと言ってくれた君に



俺は背を向けた





本当にすまん






本当は今だって




傍にいたいと思ってる









(傍にいれたなら)
俺は綾を一生抱き締め続けるぜよ







2009/4/20

仁王チャンは、真面目な時は絶対方言はないと思ってますんで…心の叫びは標準語で…(´∀`)



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