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SHORT
憧れじゃない、愛なんだ










『先生!』





「なんだよ、柿本」





『一緒に移動しましようよ』






「断る」







『なんで!』







跡部先生に恋して一年が経ちました

まだ中学生の私は、先生に断られたってあきらめません!






「ガキは相手にしねぇんだよ、俺様は。」





俺様な先生にときめいたり





「ガキはガキと戯れ合ってろ」





素っ気ない先生にときめいたり




とにかく私は跡部先生が大好き




先生はすぐに、憧れてんだろ、なんて言うけど


私は本気だよ?







『あ、忍足先生だ。』





「アーン?」




跡部先生の後ろから忍足先生が歩いてやってきた





「お、綾ちゃん。何で跡部なんかと一緒なん?俺と行かへん?」






『あはは!先生バカだ!』




忍足先生も跡部先生並みに人気がある





「ひどっ」





『ふふっ、あ!忍足先生は…』




グイッ



刹那、私の体は後ろに傾いた





『うわっ!』





跡部先生に腕を引っ張られ、跡部先生の胸に倒れこんだのだ






『何するんですか!今、忍足先生と…「お前は黙ってろ」




跡部先生は少ししかめっ面で私を見た後に、忍足先生を睨んだ





「ま、ええわ。堪忍なぁ、跡部?」





「フンッ」




私は、謝る忍足先生と、そっぽを向く跡部先生を交互に見ながら、頭に“?”を浮かべていた





「ほなな、跡部。綾ちゃんと仲良うせなあかんよ?」





「お前に言われなくても大切にしてるつもりだか?」





「適わんなぁ…。ほな授業始まるし、俺はおいとましますわ」




忍足先生は手をヒラヒラと振りながら行ってしまった






「………」






『………』







沈黙。


必然的に一緒に移動する事になった綾と跡部





『先生』





「なんだ」





先生は前を見てる



少しだけ耳が赤い




これって、少しくらい自惚れたっていいよね?

私の勘違いかな?

でも、それでもいい。


ねぇ?先生





『私、自惚れたっていいですよね?』





「………」





跡部先生は、何も言わなかった






『私、先生の事、憧れなんかじゃないですよ?』





私が、きゅっと先生の服の裾を握ったと同時に、跡部先生が私を胸に引き寄せた






「……自惚れてもいいんじゃねぇの?」





バッと顔を上げたら、顔が真っ赤な先生が居たから、少しだけ笑みが零れた





『ふふっ…先生、可愛い』





「黙れ」





きっと先生と私は同じ気持ちなんだと思う





先生は、私の頭をくしゃっと撫でて、教室のドアを開けた




私に一言耳打ちして、










憧れじゃない、愛なんだ
(お前、学校ではくっつくんじゃねぇからな?)







2009/10/04
誕生日記念夢


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