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SHORT
俺様彼氏




私の彼氏は
氷帝学園の頂点に立つ男


名前?


そんなこと聞かれたの初めて!!


跡部景吾っていうの


私には優しい…かな










(テニス部室)




「オイ!忍足!てめぇ何やってやがる!」



「何って…部室の掃除やん?」


見てわからんの?と付け足す忍足



「チッ…じゃあ貴様は何やってやがる宍戸」



「俺も掃除だぜ?」



ロッカーを部員…と言ってもR陣が整理しなおしている



「んだよ…」



今日の部長様はご機嫌ななめの様だ



「なんで跡部はそんなにイライラして…」


「せ…先輩!」


長太郎が宍戸の口を思いっきり塞ぐ



「何すんだよ長太…」



宍戸が見たのはこの世の者とは思えぬ顔をした跡部



「俺様の機嫌がなんだと?アーン?」



R陣が俯くと跡部は



「フン」



と言って腰掛けた




(おい…誰かやらかしただろ)


宍戸が皆に目配せする


(俺はちゃうなぁ…景ちゃんどないしたんやろか)


(それ言ったら跡部ますます怒るC〜)


(はぁ…)


(クソクソ日吉!ちゃんと考えろっ!)


(…ウス)



長太郎以外眉根に皺を寄せる



「あ…」



と言ったのは長太郎



「わかったんか!」



忍足が食い付く



「うるせぇぞ!忍足!!」



ガコンッ


跡部がロッカーを蹴り上げる



一斉に静まり返る部室



(で?何なん?理由)



(…居ません)



(は?)



R陣は長太郎の言葉に目をぱちくりさせる


(だから…綾先輩が居ません!)




………




先程より静まり返る部室を後にしようと跡部が立ち上がりドアを開けようとしたとき






ガチャ





『みんな〜!ただい…ぶはっ』



「跡部!?」



中に入ってきたのは間違いなく綾。


その綾をいきなり抱き締め、跡部は綾とそのまま部室を出た




「どどどど…どうしますか?」


長太郎の顔が真っ青になる


「あんなん俺かて止められへんわ」



「侑士の鬼!」


岳人の声でまた静かになった















『けーご?』



「………」



部室に入ったのは良いが、いきなり景吾に押し出された

その上肝心の跡部は黙りこんでいる


『景ちゃーん?』



「やめろ。忍足を思い出す」



『ふふっ…』



パッと上がった景吾の顔は少し赤かった



「どこに行ってやがった」



『ちょっと買い出し』



「……」




跡部の視線は綾の手荷物

コンビニの袋が2つ下がっていた



『…怒った?』


叱りを待つ子犬の様な綾を跡部はもう一度強く抱き締めた



『け…ご…』



ドサリと荷物が落ちる

中のドリンクやら湿布やらが飛び出す



「俺様の前からいなくなってんじゃねぇよ」




『うん…///』



少し涙が出たのは秘密


こんな俺様彼氏からの命令だもの

背いたら大変!



「…よしっ」



『えぇ!?』



跡部はふわっと綾を抱き上げ、部室のドアを蹴り開けた




「おい。てめぇら…この荷物片付けて練習に入れよ」



『え…私がするから…』



「てめぇは俺とデートだ」



『はぁ!?』




跡部は綾を抱き上げたまま、校門へと走った






俺様彼氏
(まぁ…いっか)




2009/03/27


(綾…俺達には目もくれへんな)

(俺様は、俺たちに酷いです!)



俺様なのは部員にも?






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