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遠回り
09.言葉にする勇気










「クソクソ侑士!なんで図書室なんかでヤッてんだ!」





「いや…なんとなく」





今は昼休み

廊下を歩きながら岳人からの説教中や

どうやら恵美との行為を見られたらしい




「……だいたい!美香はどうしたんだよ!あんなに仲良かったのに…」




「せやから…さっきも言うたやろ。別れた」



岳人を置いて足速に歩いていると前から宍戸や長太郎、まさかのジローまでやってきた





「忍足〜!お前どこいってたんだよ!」





「どこって…」




宍戸の質問には答えにつまった


俺が目線をずらしていると





「あ、」




長太郎が話しだした





「先輩!鮎川さんは、今日学校休みでした!」




「わっ!バカ!何言うてんねん!」




毎日のように長太郎に頼んでいた美香の様子をこんな形で伝えられてしまった

ヒヤヒヤしながら後ろを振り向くと





「………ぷ」




岳人が吹き出した

と、同時にR陣がみんな笑いだした





「バカにしてるん?」



怪訝な目でR陣を見ると





「いや…ハハッ!気になるなら正直になれよな侑士!」






「そうだぜ!事情は俺達だって知ってんだ!」





わかってくれていた


俺の辛さも全部





「…さんきゅ」




みんなの言葉に勇気が貰えた気がする




「そや!樺地は?」




今日は跡部も休みやったしな




「今から跡部が来るらしいから迎えに行った!」




「俺らも行くか」





「ああ、そやな」




今日は伝えられる気がする


君に本当の事を


負けない


強くなるよ


守れるくらい


だから



君を腕に抱かせて





















「あっれ〜?跡部と…美香だC〜!」











崩れてく





言葉にできなくなる
















「仲が宜しいようで」






また



俺は




君を泣かせるのだろう









あきゅろす。
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