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遠回り
02.気にしてないよ






「キャー!!跡部様ぁ!」





「忍足先輩!!」





「格好良すぎるよぉ!」





毎日のように響く黄色い歓声


1年から3年の皆様方が
テニスコートに集まる





『あ…忍足先輩…』





すぐに見つけられる愛しい人の姿



コートで跡部先輩と打ち合ってる





『あらら〜』




負けちゃった



しょうがないか



相手は部長だしね




「忍足君お疲れ様〜格好良すぎてクラクラしたぁv」




「ほんま?なら恵美ちゃん彼女になってみる?」




「キャハハッ!やったぁv」




「侑士君!それ昨日私に言ったぁ!」




「せやったっけ?」




遠くに聞こえる先輩達と忍足先輩の声



彼女だからって何も言わない


ただの傍観者




『はぁ…』



こんなの日常茶飯事。



いちいち気にしてたら頭がおかしくなっちゃうよ





「おい」





『?』





これ以上あの光景を見ていたくなくて、立ち上がり教室に戻ろうとした時






「なにしけた面してやがる」




『跡部先輩…』





向こうにいたんじゃ…と言おうとしたら






「ギャラリーが多すぎる」





いつもは多くても何も言わないくせに…




少し笑うと、先輩も笑い返してくれた





「笑えんじゃねぇか。アーン?」





『え……?』






「忍足の事なんかでいちいち悩むな。気にする方がバカをみるぜ」






『クスクス…はい』





優しいんだ



意外な一面見ちゃった







「あれから……ないのか?」




少し遠慮がちに聞く跡部





『はい…先輩達のおかげです』





はにかみながら答えると




そうか。と呟き、跡部は携帯を取り出した





『先輩?』





「知らなかっただろ?俺様の番号とアドレス」





『あっ…はい』




今まで忍足先輩に気を遣って登録は避けてた





「忍足の事でもなんでもいい。何かあったら連絡しろ」





『っ…はいっ!!』





どんなに嬉しかったか




貴方の言葉が




「じゃあな。俺様には会議が待ってる」






『はい…また』






そういうと、跡部は校舎へと入っていった






『あ…私も帰らなくちゃ』




急いで校門を抜け、学校を後にした






恋人だからって一緒に帰るわけじゃないんだよ……?








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