みらーぱにっく
4
とっさに目をそらして、久遠さんの横を通り抜けようとした。
「おい」
不機嫌そうな声とともに突然腕を掴まれて、半ば無理矢理視線を合わせられた。
な、何これ……??
俺何か気にさわるような事しでかしたのか!?
眉間のシワ怖すぎだし……。
俺ってば、このままサンドバッグ決定?
おとーさん、おかーさん。
先立つ息子をお許しください。
なんて心の中で手を合わせていたら、目の前の人の存在を忘れていた。
恐る恐る久遠さんの顔を見れば、眉間にきざまれたシワがさっきより深くなっていた。
俺ピーンチ!
いやいや、ふざけてる場合じゃないって。
このままいけば100%サンドバッグだよ!
それだけは避けたい。
だって痛いのイヤだし。
血とか苦手だし。
そして何より……
久遠さん恐いし。
あんな顔で殴られたら絶対死ぬ!
何て言ったって俺はチキンなんだから!!
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