みらーぱにっく
5
見事に転んだ俺を指差して、瀬川さんはひたすら爆笑していた。
失礼なヤツ。
なんて口が裂けても言えないから、心の中で呟いてみる。
瀬川さんが爆笑している間、久遠さんはあぐらをかいて焼きそばパンを食べていた。
…うらやましいとか思ってないからな!
やっと笑いの止まった瀬川さんに促されて、持ってきた弁当箱のふたをあけた。
うちは母さんもフルタイムで働いているから、弁当は自分で作っている。
と言っても、卵焼きを焼いたりウインナーを炒めたりするくらいで、あとは冷凍食品だ。
最近の冷凍食品ってマジでうまいんだよな
このミニお好み焼きなんて最高〜
とかのんきなことを考えていると、瀬川さんと目があった。
「アマミヤくん……」
普段の明るい声とは違って、ハスキーな瀬川さんの声が耳をくすぐり、綺麗な顔がだんだんと近づいて……。
って!
「…あ…あの、せっ瀬川さん…?ちょっ、」
近いーーっ!
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