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純愛小説
2019.6/30 8:16


 付き合って1年目の記念日。床板に寝そべりながら、「ありがとう」を言う。
ひんやりした床板は何も言わないけれどそれでも、優しく私を包んでいた。

「床板、床板は、ずっとこの家に居てくれるの?」

彼は答えない。少しくらいしゃべってくれたって構わないのに。
ひんやり、つるつる、してるだけだ。
そこがいいのだけど。

「私たち、1年経ったんだよ」

床板に唇を寄せる。
家族は今、買い物で居なかった。
「……ふふ、楽しいね」


 身体を離して起き上がる。少し曇った床板は、とても愛らしく見えた。

そのあとフローリングシートを手にして、床板が、明日も笑ってくれるようにと、丹念に身体を拭いてあげた。

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あきゅろす。
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