純愛小説
14:13
新しい消ゴムの白い粉に包まれてすべすべな肌は、確かに多くの人を虜にしていた。
私は鉛筆のこと、好きだけどそれでも、わかる気はする。
柔らかくなり出した消ゴムもまた、愛嬌があってかわいいのだ。
「好き、ゆうくんの消ゴム……」
くうちゃんの声はどこか泣いているようにも見えた。
それから少しして、口に欠片が入ったらしく、ごほ、ごほ、とむせている。
「ゆうくんの消ゴム私っ、げほ、がはっ!! はぁっ、はあ!
私たち、違う、学校に、行くんだよ……私、ゆうくんの消ゴムと、もっと、居たい
。
絵の学校なんか行ったら、
もう永遠に会えないかもしれないじゃない!」
そっか。
私の胸がずきんと痛んだ。
ゆうくんにとって、消ゴムは消ゴム。
くうちゃんのこいびとが、その生涯を閉じたところで、それは主人のためだから仕方のないことでもあった。
「使われないでよぉ?
擦られないでよぉ! ボカすなんて、練り消しの仕事でしょ!?
これ以上、真ん丸くボロボロになるなんていやだああああっ」
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