純愛小説
2019年4月9日14時00分
次の日教室に早くついた私は、静かでいいなと呑気に思いながらも自分の席に着いた。
飲み物でも買おうかと鞄を置いて廊下に出ていると、空き教室から気配がした。
なんだろ?
不思議に思ってそちらに向かう。
そこには、こっちに背を向けてるくうちゃんが居た。
両手に包むようになにか持ってる。
……くずを、舐めている。
れろれろ、れろれろれろ。
れろれろ、れろれろれろ。
れろれろ、れろれろれろ。
れろれろ、れろれろれろ。
れろれろ、れろれろれろ。
れろれろ、れろれろれろ。
「ゆう、くん……」
れろれろ、れろれろれろ。
れろれろ、れろれろれろ。
「ハァ、ハァ、ゆうくんの消ゴム、ゆうくん消ゴム、ゆうくんのケシゴム」
消ゴムとの、行為。
目の前の背徳的な光景に、私は思わず硬直してしまった。
ただの消ゴムじゃない、くうちゃんは、ゆうくんの消ゴムが好きなのだ。
なぜ、ゆうくんの消ゴムなのかは私にはわからないけど。
(おいおい、ここ、学校……)
緊張から、足音を立てず立ち去れる自信がない。
いや、そんなこと言ってないで早く、逃げてしまえばいいのだ。
「好き、消ゴムさん……あぁ、この香り、素朴な舌触り……はぁ、はぁ、ケースから出したての白い粉まみれのあなたもいいけど、今の、角がとれてきたあなたも大好き」
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