純愛小説
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頭のなかは、にぼしに告白するかしないかで揺れている。
そういえばにぼしって、何が好きなんだろう……
私は、好きな相手のことを何も知らないことに気がついた。
「にぼしこを買ってこいってさー、マジ、だる。
猫用のにぼしじゃだめかねぇ?」
涙がばれないように廊下をうつむいて走っていたら、そんな男子生徒の声が聞こえて、私ははっと顔をあげる。
にぼし子。
そのさらに隣の男子が
「にぼしとお前、お似合いだよな」なんて言う。
「ばっか、お前、にぼしにお似合いなのはにぼし子ちゃんだろ?」
ハハハハ!と二人は笑いあいながら過ぎ去る。
彼女、いるんだ……
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