[携帯モード] [URL送信]
フリリク(曄鏖sama)前編





「あれ、ローさんもう練習終わりっすか?」

「キャス、次からオレと組むぞ」

「なに言ってんですか。んなことしたらキッドさんに殺されます」

「‥‥オレの為に死んで?」

「てめェみたいのが強請ったって気持ち悪いだけだぜロー」


後輩との会話を中断させた人物の登場で、今まで人懐っこい表情を見せていたローはすぐさま仏頂面に。そのまま睨むようにして見上げた先には、ローとチームを組んで1年になるキッドが。


「あーあ、何でオレこんな奴と組んじまったんだろ」

「お前がどうしてもって頼み込ん出来たんだろうが」

「あの時はこんな奴だと思ってなかったし」

「あーもう良いわ、オレだけで練習すっから」


むすっと頬を膨れさせるローを残し、1人で練習を再開するキッドの実力は部でずば抜けていて、本来ならば後輩のローなどと組むはずのない立場である。だが入部初日から駄々をこねまくったローが部長のエースを根負けさせ、元々キッドと組んでいたキラーを外させたのだった。


「やっぱ上手いですよね‥思い切りが良いっていうか、パワフルっていうか」

「は、あんなの暴れてるだけじゃねーか」

「何言ってんすか。キッド先輩はあらゆるコンテストで優勝や入賞してる人ですよ」


キャスケットの言うことも事実なのだが、今のローにはそれを素直に認める大人げが欠けていた。誰が見てもローがキッドのダンスに見惚れていることなどわかるというのに。



「っし、邪魔してくっか」

「喧嘩しない程度にしてくださいよー」





これが、次のコンテスト3日前の話である。




+−+−
続きます、よー!←

[Back][Next]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!