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フリリク(美影sama)







「阿部、午後からキャッチャー代わろーか?」

「ん、そうだな。ピッチャーも花井と沖で回そう」

「三橋も自分の守備位置、確認しとくんだぞ」

「うんっ」

「他も少しずつフォロー入るから全員で確認したほう良いかな」

「ならメシ食ってからいっかい集まるか」


「‥‥ねえ、ちょっと良いかな」





今日は日曜日。練習試合で他校に来ている。昼食をとりながら午後からの話をしている部員達を遮ったのは栄口であった。


「どうした?」

「‥‥花井、副部長としてひとつ言っても良いかな」

「おう」

「他校に来てるときくらい、阿部にご飯食べさせるのやめてくれない?」


きょとん。
栄口の台詞を聞いた花井と阿部の表情を文字にするとそんなところだろうか。その間も花井は弁当箱から阿部の口へおかずを運ぶのは止めないし、阿部は阿部で親から食べ物をもらう雛さながらに食べている。





「なんで?」

「同じ仲間だと思われたら恥ずかしいから」

「栄口もチームの仲間だろ」

「チームとしては仲間だけどバカップルの仲間になった覚えはないよ」

「‥‥でも、阿部ひとりで食べれないし」

「うん。オレ自力で食えないし」



あくまで引こうとしない2人に栄口は大きな溜息をついた。他のメンバーも同じような様子である。


「‥‥栄口、諦めろ」

「‥巣山‥オレだって言い飽きてるんだよ」

「何言ってもだめだよ、あの2人ってば教室でもああなんだから」


もう慣れっこだと言わんばかりの水谷は端から2人を視界に入れないように努めているようだった。部員達の世話役であるはずの2人が部員達から呆れられる立場になってはどうにも収拾がつかない。







「はい、ハンバーグ」

「でかいよそれ」

「ったく‥ほら、これで一口サイズだろ」

「サンキュ」

「はいはい」

「‥‥美味いな」

「ソース付いてるぞ、そこ」

「とって」

「しゃーねえな」





誰かこの2人を止めてくれ。そう願う者はいても、実際に行動に移そうという者はまだまだ現れそうにないのであった。





+−+−
フリリクの甘やかし花井と甘えた阿部・飽きれるらーぜ、でした。

キャラ壊しもいいとこだ!

美影さま、リクエストありがとうございました!

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あきゅろす。
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