フリリク(黒猫sama)
「‥‥あ、三橋?オレだけど」
「晩メシ食ったらさっさと風呂、入れよ」
「‥あと‥体重、測んの忘れんなよ‥」
「おう‥明日、な‥‥」
三橋との電話を切るなり阿部は、自分の目の前にある顔に視線を向けた。阿部を膝に乗せた格好でえらく満足そうに笑っているのは花井である。
「‥‥電話中だったんだけど」
「ん、知ってるよ」
「ちょ、」
ビクリと肩を跳ねさせた。決して故意にではない、不可抗力というやつだ。この調子で先程からずっと花井は阿部の身体を撫で回している。それなのに、三橋に電話をするよう仕向けたのも間違いなく彼であった。触られている方にとっては迷惑この上ない。
「花井っ、やめろって」
「‥‥‥‥」
「‥な、頼むから‥」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥はないぃ」
思わず漏れたのは普段は出すことのない甘い声。それでも視線ひとつ寄越さない花井の大きな手の平は相変わらず胸やら腹やら腰やらを這い回っている。
「‥‥花井、はない‥」
「あ?」
「‥‥‥好き‥」
「知ってるよ」
精一杯の告白さえ表情を変えずにさらりと流されてしまう。
それでも彼が愛しいと、触れられることが嬉しいと感じるのは脳がどうにかなってしまっているのだろうか。
だってその手は優しいのだ。
+−+−
フリリクの余裕綽々S花井×べた惚れ阿部の甘々でした。あんまりSっぽくないかな‥精進します
リクありがとうございました!
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