フリリク(朝霧sama)
「‥‥なあカク」
「なんじゃ?」
「ちょっと、手伝ってもらえないか」
お安い御用じゃよ、可愛いお主の為なら何なりと。
「で、何をどうしたらこんなに仕事が溜まるんじゃ?」
「‥‥いや、すまない」
「お主らしくないのう、いつもならこの手の作業は依頼から2日以内に終わっているじゃろうに」
嫌味ったらしく尋ねる自分には見向きもせず、黙々と手を動かしているルッチ。本当は知っていた、3日連続で定時に上がり、パウリーと飲みに行っていたことを。
「‥‥賭けで儲けたとかそんなところじゃな」
「カク?」
「やめじゃ、ワシは帰るぞ」
そんな馬鹿な、と視線だけで訴えるルッチを一瞥し、すぐ背を向けて歩き出す。
何が悲しくて、恋敵と楽しく飲んでいた想い人の尻拭いを自分がしなければならないのか。そんな苛立ちを抱えて。
「‥‥待て、カク」
「離すんじゃルッチ、そんなに困っているならパウリーにでも頼めば、っ‥‥」
腕を掴まれ咄嗟に振り返り、睨むように見たルッチの様子に言葉を失った。
「泣いて、おるのか‥?」
「‥‥見るな、バカヤロウ」
「いや、すまん、泣かすつもりは無かったんじゃよ」
ぽろぽろと涙を流すルッチを見て狼狽えるばかり、どう対処すべきかも解らずにただ慌てる。
「‥少し、落ち着くんじゃよ。その間ワシがいくらか終わらせておくからの」
「‥‥‥」
手近にあった木材の上にルッチを座らせて、先程手伝っていた作業を再開する。
この苛立ちは彼じゃなくパウリーに向けるべきだったのだ、と後悔し、明日はどんな八つ当たりをしてやろうかと考えながら。
+−+−
フリリクのルチカクでした。
ギャグっぽくなくて申し訳ありません‥(スライディング土下座)
リクありがとうございました!
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