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無責任な言葉に



結局阿部が何故いなくなったか、何故あの時泣いていたのかはわからず仕舞いだった。

でも、阿部はまた笑ってくれたから、余計なことを考えるのは止めようと思う。



なのに。


















仕事も一段落ついて、これから昼休み、という時。

ふと携帯が鳴った。見知らぬ番号に首を傾げるも、しつこく鳴っている着信音に苛立つ前に出る。



「もしもし」
「あ、お前が花井?」
「‥‥そうですけど、どちら様ですか?」
「榛名元希だ。ちょっと会いたいんだけど、時間あるか?」



榛名元希。その名前に聞き覚えがあって、少し考える。


(‥‥あ、栄口が言ってた阿部の元恋人だ!)


はっとして、会いたいという相手に今から昼休みだと告げると場所だけ指定して電話を切られた。
呆気にとられていたが、そんな場合じゃない。





携帯と財布だけを持つと、オレは足早に会社を出た。


















なんで、榛名がオレの番号を知ってるんだ。

オレに会いたい理由は。

色々と腑に落ちないところはあるが、まずは会ってみないと始まらない。




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