Vampiro
▽始まりはここから。
なんで私、こんな所にいるんだろ?
たしか、学校に遅刻しそうになって…近道の路地裏に入ったんだ。そこで見たのは…金髪のティアラのお兄さんとフードを深くかぶった人…2人の周りは血塗れ。
『――っ!!』
「あり?一般人…だよな」
「ベル、見られたみたいだよ。君が大量に出血させるから…」
「うるせーよ…それより…」
ティアラの人がナイフを持って近づいてきた。その瞬間、頬に痛みが走った。切られたんだ。
『った!』
早く逃げないと…足が…動かない!?
「お前、運わりーよね。まっ、王子がちゃんと殺ってあげるから」
『え……』
心配ないしー!とか言いながら笑みを深めるティアラ。殺るって…うそでしょ?
誰か…
た す け て
『い…いやだ』
「じゃ…バイバーイ」
もうだめだ。私は覚悟をして目をつぶった。
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