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短編置き場?
僕の双子の姉
どうも、姫路瑞希の双子の弟の隼也です。
今日もみい姉は忙しそうに料理をしております。
おそらく、涼介くんにあげる為の弁当作りなんでしょう。

「みい姉」
「なんですか、しゅんくん?」

僕が声をかけると笑顔で答えてくれる僕の大切な半身。
身体が弱い姉を守る為にすべての武道に打ち込んだ結果、今の僕がいるわけで、そんな姉に愛されているのにその対象はなかなか気づいてくれない。
それを思うと無償に悲しくなるような複雑な気分になる。
まあ、本人にいえたわけじゃないけど。

「卵焼き焦げてるよ?」
「え?ひゃあああ!!」

僕に言われて慌てて火を止めにむかう姉。
それを見て苦笑いするのは仕方のないことだと思う。
今も涙目でこげた卵焼きを見てうちひしがれている。

「その卵焼き、ちょうだいよ、僕が食べるから」
「で、でも……」

溜息をもらしつつも僕はみい姉に近寄る。
こんな卵焼きを僕に食べさせるのは躊躇するのだろう。
それだけ僕のことを大事にしていてくれてることがわかる。
でも、みい姉には幸せになってほしいから。
あえて、こげたのを僕が引き受けることにしている。
昔は薬品料理で大変だったけど、今では立派に改善していた。

「時間、なくなるよ?」
「うぅ、ごめんね、しゅんくん」

僕に言われてしぶしぶと皿にこげたのを載せて渡す。
しおれた花のように落ち込むみい姉。
そんな姉を苦笑いしつつ、僕は卵焼きを口にはこぶ。
多少の苦味はあるけど、前にくらべればましな方である。
それからやっと、作り上げたみい姉は、ほこらしげに胸をはっていた。
そんなみい姉が可愛くみえるのは僕のフィルターが身内びいきだからだろうか。

「じゃあ、そろそろいこうか」
「あ、うん!」

僕に言われてみい姉は弁当を持って僕と一緒に家を出る。
晴れやかな空をみて決意を新たに歩き出すみい姉。
そんな姉を僕は複雑そうに見ているのは姉離れができていないからかもしれない。

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