[通常モード] [URL送信]

短編置き場?
つぐみを元気にさせよう作戦 その1 (ジャニケル様のリク)
最近、つぐみが元気ない気がする。

「……はぁ」

心ここにあらずなようでため息がもれていることが多い。
これはなんとかしなくてはならないだろう。
だが、どうすれば喜ぶんだろうか。

「つぐみ、どうしたの?」
「元気ないようですけど、なにかありました?」

あ、今絶壁と姫路がつぐみに近寄って声をかけている。
チャンスだ、これで何に悩んでいるかわかるかもしれない。


「今、なんかムカツクこと思われた気がする…」
「き、気のせいですよ、美波ちゃん! ね、ねえ?つぐみちゃん」

額に怒りマークを浮かべる絶壁を見て慌ててなだめる姫路。
なんでそこまで怒るのだろうか、わからん。


「…うん」
「ちょ、ちょっと……本当にどうしたのよ!?」
「うう……これかなり重症のうわの空ですね……」


確かに絶壁と姫路を見ずに頷いてるもんな。
これはかなりの重症とみていいかもしれないな。


「はれ? 二人ともどうしたの?」
「「今きづいたの!?(ですか!?)」」

こてんと首をかしげるつぐみに絶壁と姫路が裏手ツッコミをいれていた。
ううむ、まさかここまでとはな。


「おい、わんこ。今度は何をしたんだ?」
「……正直にはくべし」
「悪いことはいわないよ、ゲロっちゃいなよ」
「お主らは……」


思案している中、雄二と明久と康太が俺を見て呆れた目で見ている。
秀吉は頭を抱えていた、苦労してんな。


「いやいや、なんで俺が原因なんてことになるんだよ?」
「なんでって……なぁ?」
「………秀久のこといがいで落ち込むことなんてありえない」
「というわけだよ」
「うむ、それ以外で落ち込むなんてことはなかったからのう」


俺がそう言うと雄二はニヤニヤ笑いながら康太を見て、康太は淡々と言う。
明久はというと、なんかムカツクくらいの笑みを浮かべていた。
秀吉までも、同意見のようだ。


「つぐみの落ち込み理由、違うかもしんねーだろうが」
「はいはい、そう思いたいんならそう思ってろ」
「とにかく、シュウはつぐみを元気にさせること!」
「………天使が元気ないのはよくない」

俺が否定すると三人は指で示してそう言った。
いわれなくてもするつもりだったさ。


時がすぎて放課後。
俺は姫路と絶壁につぐみのことについて相談してみることにした。
え、つぐみ? なんか、先生に呼ばれているらしい。


「姫路、島田。ちといいか?」
「はい、なんでしょうか?」
「なによ、手短にしてくれる?」

俺は二人に近寄り、声をかけると振り向いて俺を不思議そうに見た。


「ここだと、聞かれるかもしんねーから」
「ふう、仕方ないわね」
「じゃあ、屋上にいきましょう」

場所を気にしていると島田と姫路が顔を見合わせてから俺を見てそう言った。
ふむ、屋上ならなんの問題もないか。

「ああ、じゃあそうしよう」
「では、行きましょう」
「さっさと行くわよ」

俺が頷くと二人は笑顔を浮かべて、俺の背中を押しながら屋上へと向かった。
なんかはめられた感があるが、これもつぐみの為だ。


屋上の扉を開けて、中にはいり、フェンスにもたれると。

「吉沢くんが気にしているのはつぐみちゃんのことですよね?」
「じゃないと、こんな行動とらないもんね」

振り向いて笑顔を浮かべる姫路。
その隣で呆れたように俺を見る島田。


「そうだけど、なんか知ってるのか?」
「いいえ、私達にも教えてくれないんです」
「だから、どうしようかなって思ってね」

希望をもって問いかけるんだが、彼女達も知らないようだ。
それなら、元気づけるにはどうしたらいいか聞くことにしようか。


「そうか。ならさ……つぐみを元気づける為になんかしたいんだけど、どうしたらいいんだろうか」
「そーですねぇ……遊園地なんてどうでしょうか?」
「そうね、そこなら楽しめると思うし」


俺が真剣な表情で尋ねるとまるでまっていたかのような笑みを浮かべる彼女等。
なんだ、なんか変なこといったか?
だが、遊園地か……いいかもしれないな。


「わかった、相談にのってくれてサンキュー」

そう言うと俺はすばやく屋上から出て行く。
遠くでつぐみが元気になったら報告しれくれと言われたような気がしたが、気のせいだろう。


「あれ、ヒデくん? 先に帰ってたんじゃないの?」
「ちょうど、良かった! つぐみ、明日用事あるか?」


教室に戻ると鞄をもっているつぐみと出くわした。
肩をつかんで尋ねると、なぜかつぐみの頬に赤みがさした。
なんでだろう?


「え、えぇ!? そ、それって……」
「なにをさしてるかわからんが、どうなんだ?」


驚きながら慌てるつぐみ。
それも可愛いなと思いつつ、目的を果たそうと俺は尋ねる。


「な、ないよ! 用事はない!」
「そ、そっか。 なら、明日遊園地に行こうか」


握りこぶしをつくって意気込むつぐみに押されながらも俺は目的を告げた。
すると、ぱあっと表情に明るみが灯る。
なんか嬉しそうだな。


「うん! 行く! 待ち合わせはどこにするの?」
「は? そんなの一緒にいけばいいだろうが」


笑顔で頷いて俺に尋ねるつぐみ。
なんで待ち合わせが必要なんだ?


「だ、だって……」
「はあ、わかったよ。 じゃあ、バス停で待ち合わせな」

つぐみがどこかさびしそうに俯くのでため息をもらしながらも俺がそう言うと。


「!うん♪ 楽しみにしてるね!」
「あ、あぁ…」


本当に嬉しそうな顔で俺を見る。
こんなんで嬉しがるなんて、子供だな、つぐみは。
それから、俺達は二人で一緒に帰宅することになった。

[次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!