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新・バカ達とちみっこ達と赤姫
第73問 バーベキュー!
「じゃあそろそろバーベキューの準備しようか」

「だな。せっかく川にいるんだし魚も捕まえてみるか?」

和明がそう言うと龍星は同意する。

「でもどうやって捕まえるの?」

「釣竿なら準備している」

ひばりの問いかけに当夜がニヤリと笑いながら取り出した。
ちゃんと人数分の釣竿が用意されてあった。

「よーし、盛大に釣ってやるか!」

龍星はそう言うと釣竿を手に持つ。

「あれ、エサをつけないんですか?」

秀久が龍星に問いかける。

「そういうのは現地調達でいいんだよ。ちょうど、岩の下には虫がいるというお約束だしな!
 で、この虫を針につけて釣り開始。
 ・・・・・そしてヒット!!いきなりヤマメゲット!」

楽しそうに釣り上げる龍星に芹香はにこにこと見つめている。

「龍てば、全力で満喫してるね。でも、たまにはいいかも」

明久がそう言いながら釣竿を手に持つと釣る準備をし始める。

「それでアタシのスカートをめくろうなんて考えるなよ」

「ドキ!)か、考えてないよ!」

じと目の結華に言われて目を泳がせる明久。
注意しないとしそうな変態には効果があるかはわからないが。

「釣りって初めてだからどうしたらいいのかしら」

「それなら澪次に教えてもらったらどないや?
あいつは釣ることが好きやからな♪」

優子の呟きが聞こえていたのか笑顔で話しかける深紅。

「あっ、なら僕も教えてもらおうかな♪」

「……工藤は俺が教える」

向かおうとした愛子の手を掴む仏頂面の康太。
いやはや、気になっている異性がどこかに向かうことは嫌なようだ。

「夜瀬くん、教えてもらっていいかしら?」
「ん?いいよ。まずは針に虫を──」

澪次は優子に釣りを教えながら魚を釣っていく。

「レイナは、わっちと当夜が教えるから安心してや♪」
「うん、よろしくお願いね♪」
「お?俺もか?別にいいけどな」

深紅の言葉にレイナも笑顔で頷いた。
当夜は自分がはいっていることに驚きながらも頷いた。

「なら皆が魚を取っている間に俺が焚き火できそうな木でも採って来る」

「・・・・・・雄二が行くなら私も行く」

雄二がどこかへ向かおうとしていると翔子が近寄って言う。

「ん?そうか、なら一緒に行くか」

「雄二よ2人だけでは大変じゃろう。ワシも手伝うのじゃ」

「なら、おねーさんも手伝おうかなん♪」

雄二に秀吉とクリスが声をかける。
そのまま4人は薪集めに向かったのだった。

「じゃあ僕は調理の下拵えとかしてるね」

「ならあたしも手伝うよ、かずくん」

和明が率先して行動しようとしているとひばりが声をかける。

「ありがとう、ひばり。お願いするね」

と、嬉しそうに笑う和明。

「私も手伝いますね♪」

「僕も手伝うよ」

そこに奏と淳に加わる。

「なら4人でやればいいな」

「私も手伝おうかな?」

秀久がつぶやいてるとつぐみはぽつりとつぶやいた。

「いや、下拵えには4人もいれば充分だろ。これ以上いると返って邪魔になりかねないし
 つぐみは魚でも釣っててくれ」

「うん、わかったよ!」

聞こえていた龍星がそう言うとつぐみは笑顔で頷いた。
釣竿を手に、餌をつけようと努力していた。
それを見て折れずに秀久がちょいちょいとつけて手渡す光景があった。

「なあ当夜。ちょっとコレで魚を捕まえてみてくんね?」

綾香が魚を釣っていた当夜のところへ行くと

「コレって、串?なににするのさ」

近くにいた湊斗が不思議そうな表情をうかべる。

「いやぁ〜当夜ならこれ投げて魚を捕まえられるんじゃないかと思ってさ☆」

「いやいやさすがに無理だと思うんだけど」

綾香の言葉に湊斗が苦笑いをうかべる。

「ほな、わっちが先に♪」

深紅が立ち上がり串を持つと魚に狙いを定め

ビシュッ!

串を魚に向かって投げると見事に串が魚に刺さった。

「おいおいおいおいおい!マジかよ!?」

秀久が驚きの声をあげている。
続いて当夜も投げると見事に魚に串がささる。

「……すげーな、本当にできるとは」

綾香は冗談のつもりだったらしい。
この後深紅と当夜のおかげで魚を45匹ほど捕まえた。

「バーベキュー♪バーベキュー♪」

白姫がにこにこ笑顔で笑っていた。

「しかし、凄い量の肉や魚があるな?」

愁夜がそうつぶやくと

「………肉も牛、豚、鳥が揃ってる」

ぽつりと康太が言う。

「野菜もあればよかったんだけど」

つぐみは栄養バランスを気にしているようだった。

「それなら用意しとるで?」
「まさか、彼女を頼るはめになるとは」

深紅が笑顔で笑いかけ、澪次は遠くを見つめていた。
龍星たちが川で捕獲した魚と
深紅があらかじめ用意しておいてくれた肉や野菜が大量にあった。

「でも美味しそうだね」

「そうね。でも全部食べきれるかしら?余るんじゃない?」

優子と愛子は食べきれるか不安そうだ。

「余ったら先生達に話して保存しておくしかないですよね」

奏がつぐみを捕獲しながら言う。

「そうか?これならちょうどいい気がするが?」

雄二は対して気にしている様子もない。

「この量が・・・ちょうどいいの?」

「……凄いね」

ひばりとつぐみは驚いた顔を浮かべている。

「まだかなまだかな♪」

「もうできるからもう少し待ってくれ」

ちなみに明久たちが下準備をしてくれていたので直貴が肉や魚を焼いている。

「おお!良い匂いがしてきたねん♪」

クリスもどこか楽しげに笑っている。

「なんだか、家族水入らずで来てるみたいよね」

「いわれてみるとそんな感じだよな」

美波の言葉に愁夜も納得していた。

「ふんふん、なら、おとーさん♪」
「ん?なにお母さん」

深紅が悪戯たっぷりに澪次に声をかけるとノリで返す。
慌てることを期待していただけにつまらない反応にぶすくれる深紅。


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