新・バカ達とちみっこ達と赤姫 らぶらぶスライダー♪ 明久が雄二達が見ているのに気付くと急に顔を赤くした。 その反応が面白くてにやにやと笑う雄二。 「よう、らぶらぶカップル」 「見せつけてくれるじゃねえか?」 雄二がプールサイドに歩いてきた明久に声をかけると龍星も声をかけた。 「羨ましい?でも、あげないよ」 結華の頬にキスしてから笑う。 「……じゃあ、次は私達」 「わ、わかったから落ち着け!」 翔子に手を引かれて連れていかれる雄二。 〜〜〜〜☆〜〜〜 「では、彼氏さんはここに座ってください。」 スライダーの乗り口に行くと女性スタッフが居て丁寧に説明してくれた。 しかし、宣伝のためとはいえ客に対するスタッフの人数が多いな。 お陰で待ち時間とかなく楽しめるがタダでここまで楽しめるのはかなり得だといえる。 「これでいいのか?」 「それでですね、彼女さんは彼氏さんの脚の間に座る感じです。」 「……わかった。」 スタッフに言われたとおりに翔子が雄二の目の前に座る。付き合いとは思っていないがここまで普通の密着には恥ずかしさがよぎる。 「あとは彼氏さんが彼女さんを後ろから抱き締めてください。お腹を抱きしめる感じですね。」 「あ、ああ。」 雄二はスタッフの言うとおりに翔子の腹のあたりを抱きしめる。翔子も恥ずかしいのか陶器のように透き通った首筋がほんのり赤くなっていた。 「はい、いってらっしゃい。」 「うおっ。翔子、ちゃんと掴まってろよ。」 「……大丈夫。一生離さない。」 「一生は困るだろ。いろいろと。」 スタッフに背中を押されたので離さないように抱きしめている腕に少し力を込める。 バシャーン 翔子も雄二もしっかりと掴まっていたので離されることなく出口まで着いた。 「翔子。手を離してくれ。このままじゃ歩きづらい」 「……抱っこ。」 「わかった、わかった! してやるから離せ」 水から上がっても翔子が手を離さなかったので仕方なくお姫様だっこをしてやる。 思った通り、明久達がニヤついて雄二達を見ていた。 パシャパシャ 康太はあんなにシャッターを切って大丈夫なのだろうか。 データの容量にも限界があると思われるのだが。 「さすが熟年カップルは違うね」 「堂々とした感じやね。」 明久と深紅がニヤニヤと笑いながら見つめていた。 「なっ!? 神埼まで何言いやがるんだ!! 夫婦でもなんでもねーし!」 それでも否定する雄二。 「…………いい写真が撮れた。」 「相変わらず仲が良いのぅ。」 康太は満足げに、秀吉は多少羨ましそうだ。 「んじゃ、次は俺らが行くか」 「……(うん、りゅうくん♪)」 龍星にエスコートされながら向かう芹香。 〜〜〜☆〜〜〜 「では、彼氏さんはここに座ってください。(この子たちが終われば休憩ね! シングルの男でも探そうかな?)」 上に行くと女性の係員が乗り方を教えてきた。 どうでもいいが、この人は大変である。 カップルだけを相手にするのは特に……。 「それでですね、彼女さんは彼氏さんの脚の間に座る感じです。」 「……(じゃあ、失礼するね?)」 係員に言われて芹香が龍星の前に座る。恥ずかしいのか彼女の首筋は赤くなっていた。 「あとは彼氏さんが彼女さんを後ろから抱き締めてください。お腹を抱きしめる感じですね。」 「これでいいですか?」 龍星は係員に言われたように芹香を後ろから抱き締める。 「はい、いってらっしゃい♪」 係員に背中を押されてスタートする。龍星は芹香を離さないように腕に力を込める。 「……(ひゃわわ!?は、はやいよ〜っ)」 「ちゃんと掴まってないと危ないだぞ? それと、喋っていると舌噛むから、黙ってような」 「……(うにゃ〜///)」 芹香はまだ何か言いたそうな感じだったが、スピードが上がってきたので大人しくなった。 バシャーン しっかりと芹香を抱きしめていたのでそのまま着水する。 せっかくなので龍星も明久らを見習って芹香をお姫様だっこをすることしてプールから上がろうとする。 「……(りゅ、りゅうくん!恥ずかしいよ〜///)」 「あんまり暴れるなよお姫様♪」 「……(お、お姫様……///)」 暴れる芹香に恥ずかしい台詞を言ったらおとなしくなった。 プールサイドにいる明久達が笑いながら見つめているが龍星は気にしていないようだ。 パシャパシャ 康太は相変わらずシャッターを切りまくっていた。 「よっと、次はつぐみ達の番だな?」 「……(ちゃんとエスコートするんだよ?)」 龍星が上がると芹香は秀久を見つめて告げる。 「わ、わかってるよ///。 行くぞ、つぐみ」 「う、うん」 秀久が手を繋いで連れて行く。 〜〜〜☆〜〜〜 「では、男性の方はこちらに座ってください。」 上まで行くと男の係員が指示してきたので秀久はそれに従ってスライダーに腰掛ける。 「女性の方は男性の脚の間に座る感じです。」 「こ、こうかな? 」 秀久の脚の間に座るつぐみ。 恥ずかしいのか耳まで赤いようだった。 「あとは男性は後ろからお腹を抱きしめる感じで抱き締めてください。」 「も、もう、いいか?」 秀久は言われるがままにつぐみに抱きついて係員に聞く。 「はい、いってらっしゃい。」 係員に背中を押されて滑り始める。 「きゃっ!?」 思っていた以上に流れが強く、つぐみを離してしまったので慌てて腕に力を込めたが、何を間違ったのかつぐみの胸を掴んでしまった。 「わ、悪い!」 「ベ、別にいいんだけど……いきなりだから驚いちゃっただけだし……」 「それでも、本当に――」 バシャーン 秀久が再度謝ろうとしたら出口に着いたらしく秀久はつぐみと共に水に飛び込む。 「本当に悪い!」 秀久は立ち上がるとすぐにつぐみに頭を下げる。顔が水に浸かっているが関係なしだ。 「か、顔をあげてよヒデくん。皆も見ているんだよ?」 顔をあげて周りを見るとなんとも気まずそうな明久達が居た。 〜〜〜☆〜〜〜 「シュウ、君は何をしたの?」 「つぐみが顔を真っ赤にしてたな、何があった?」 「正直に話せば楽になるぞ。」 プールサイドに上がった秀久に詰め寄る龍星達。 「さ、澪次。次はわっちらの番やから行こうで」 深紅は澪次の腕を掴み腕を組んでくる。 「うんそうだね。行こうか」 「つまらん反応やな〜」 深紅が不満そうに言うと苦笑いする澪次。 そして二人はそのまま歩いていく。 〜〜〜☆〜〜〜☆ 「では、男性の方はこちらに座ってください。」 上まで行くと男の係員が指示してきたので澪次はそれに従ってスライダーに腰掛ける。 「女性の方は男性の脚の間に座る感じです。」 「了解や♪」 笑顔で澪次の脚の間に座る深紅。 「あとは男性は後ろからお腹を抱きしめる感じで抱き締めてください」 「こうかな」 澪次は言われたとおりに深紅のお腹に手を回す。 「はい。じゃあごゆっくりどうぞ。」 確認した係員に押されて滑り始める。 バシャーン 澪次は深紅を離さないように腕に力を込める。 「おー!すげー、速さやな〜♪」 「ふふ、そうだね」 けらけらと笑う二人を見て砂糖を吐きそうになる人は大勢いるに違いない。 そしてそのまま出口までいき、深紅と共に水に飛び込む。 「よっと」 「らっくちーん♪」 澪次に姫だきされて笑う深紅。 別段意識もしてないように見える二人。 その様子にからかいも起きない雄二達であった。 |