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新・バカ達とちみっこ達と赤姫
第58問 続・誘拐?!
教科:日本史
問 次の問に答えなさい

『初代天皇の名前を答えよ』

姫路瑞希の答え
『神武天皇』

教師のコメント
正解です。


吉井明久の答え
『神武天皇』

教師のコメント
意外の一言です。この調子で頑張ってください。




「くははははは! それにしても、ちょうど良いストレス発散の相手が出来たな!
 生まれて来た事を後悔させてやるぜぇぇッ!!今死ね! すぐ死ね! 骨まで砕けろっ!
 俺と出合った事を後悔するんだなああああぁぁぁぁ!!!!」

雄二の荒れように苦笑を浮かべる明久達。

「雄二のやつ完璧にキレてるな。ま、別に止めやしねーけど……」

「霧島に追い詰められたみたいなもんだからな。その直後の雄二とケンカしたらこうなるさ」

直貴と秀久はそう言いながらチンピラ達をのしていた。

「死にさらせェ!!」

すると一人の男の手から炎が現れた。
不思議な力を使えたやつはこいつのようだ。
そいつはその炎を投げつけようとしたが、

「おっと、あまいよ」

澪次が手をかざして、それを使えなくした。
いわば無効化といってもいいだろう。

「んな!?」
「ナイスサポート、澪次!」

驚くチンピラを秀久が笑いながら殴り飛ばした。
なお、しばき倒した彼らは縛られて警察に届けられたそうな。
ちなみに、奴等は、怯えた顔で文月には狂戦士がいると呟いていた。

「なあ、やりすぎじゃね?」
「なに言ってるんだ、あれくらいまだまだ序の口だろ」
「龍の言うとおりだよ!」

直貴の言葉に龍星と明久の声が揃う。
なんというかチンピラが哀れでしかたない。


すると、秀久の携帯の着メロが流れる。
神○みの音楽だというのがわかる。

「誰だ?もしもし」

『シュウかいな? わっち神埼やけど。 救出された瑞希達が聞いた話なんやけど』

秀久が電話にでると、深紅の声が聞こえてきた。
いつものお調子者の声ではないようだ。

「みく?どうしたんだよ、いきなり」

当夜と秀久は顔を見合わせながら尋ねる。
だが、次の言葉で秀久達に新たなショックをうけることになる。

『瑠美とつぐみとひばりと芹香が誘拐されたようや』

深紅の言葉に秀久は赤い瞳を見開く。
嘘だと信じたかったのだが、現実はそうとはいかないようだ。

『つーわけだから、すぐさまこっちに合流してくれるか?』
『僕らも探してみるからさ、希望を捨てないで』

綾香と湊斗が秀久達を励ますように声をかける。
声は優しさに満ちていた。二人だって焦っていてもおかしくないのに、
秀久達のこと考えているようだった。

〜〜〜〜☆〜〜〜〜〜〜

コポコポという水泡があがる音が静かに響き渡る。
そこはうす暗くてどこか落ち着かないような場所だった。
施設といってもいいかもしれないが、すべて白一色なのだ。
そこに2人の男性が立っていた。彼らの視線は目の前にあるモニターに注がれていた。
なにやらよくわからない文字が浮かんでおり、図形も浮かんでいた。

「素晴らしい!!これほどとは!! これさえあれば私は学園長の座だけではなく世界すらも!」
「ふん……そいつにしか興味がないとはな。まあ、いいさ……。
使い道をしらないやつに渡す必要がなくなるからな」

キーボードらしきものに触れて捜査していく教頭と、黒ずくめのずきんをかぶった男。
それぞれ思惑が違うようだった。
彼らの後ろ側にはどこかの玉座のような椅子にもたれかかり、ぐったりとした小さな少女がいた。
目はうつろで身体にいろいろな機械がつけられている。
そうその小さな少女達はつぐみとひばりだった。
もう二人の少女は楕円形な横並びのポットにて眠らされているようだった。
ポッドの中身をよく確認してみると、病院の患者着を着せられた芹香と瑠美がいた。

『うぐぐ!!こらぁ!その4人を解放しなさい!しないとルビーサミングを放ちますよ!!』

壁にルビーが縛りつけられており、じたばたとあがいていた。
だが、誰ひとり聞いていないようだった。

〜〜〜〜☆〜〜〜〜

学園に戻ると、深紅とレイナと綾香と湊斗とクリスと常村と夏川が待っていた。
神妙な顔立ちで龍星達を出迎えると……。

「行くぞ、そう時間はたってないとは思うが……」
「ないない〜」

綾香がそう告げようとした瞬間につぐちーが心配そうな声をだして歩いてきた。
目尻には涙がたまっており、不安なのだろう。

「大丈夫だよん♪私らが必ず連れて帰ってくるからねん♪」
「みゅ〜?」

しゃがんでクリスが話しかけて、頭を撫でてやる。
涙目で見上げるつぐちーに笑顔で頷くクリス。

「る〜!」
「んな?」

つぐちーを呼びに来た二匹と共に。

「つぐちーちゃん、お菓子がありますの♪一緒に食べましょうですの♪」
「大丈夫ですよ、つぐちゃん達ならきっと♪」

笑顔で声をかける白姫と奏達を見ると。

「るる〜♪」
「んな〜(汗」
「みゅ〜♪」

仲良く走る2匹のあとを追いかける直貴のぷち。

「それで、なにかわかったのか?」

龍星はなんとか怒りを抑えながら尋ねる。
本当なら明久達を連れていきたくないのだが、そうともいかないことをわかっているから。

「黒幕は教頭やということや。まだ、もうひとりおるんやけど……」
「検討もつかないというのが現状なのよ」

深紅とレイナが調べた書類を見ながら話す。
本当に仲の良い二人だ。

「もうひとりいるのか?」

秀久も怒りと焦る気持ちを抑えながら問いかける。

「それは間違いない、俺達も姐さんと調べてきたからな」
「ツネとナツの情報網は確かだよん♪」

夏川とクリスもまとめ書類を見せながら話す。

「まったくもう、あの子達を狙うなんてなに考えているのかしら」

そこへ銀色の髪の女性が再び現れて呆れたふうに溜息をつく。

「おかん、いつも思うんやけど。わっちとレイナを抱きしめるのはやめて欲しいんやけど?」
「うんうん、というか重くないの?」

深紅とレイナが突かれたような顔で女性に言う。
彼女は深紅の母親でエリザだ。
とはいっても血のつながりなどはないのだが。

「お母さん悲しいっ! 愛娘とそのお友達の発育を確かめたいがための行動なのにっ」

よよよ、と泣き崩れたふりをするエリザ。
この様子にはあ、と溜息をもらす龍星・深紅・レイナ・澪次だった。

「それより、場所はどこなんだ!?ひばりにもしものことがあったら!」

和明がかなり焦っていた。
大切な子だからこそ、余計に心配なのだろう。

「気持ちは痛いほどわかるわ。それじゃあ行きましょうか」

にっこりと彼女が笑うと手を叩いたと同時に車が到着した。
思わず龍星達の顔がハニワぽくなった。
そんな彼らを気にしたふうもなく、黒服の連中が彼らを運んでいく。

「あ、そうそう!深紅ちゃん、今回は銃をつかってもいいことを許可するわ♪」
「ホンマに?いや〜、狙撃ができるなんて嬉しいかぎりやわ〜♪」
「違うよな?そこは嬉しそうにするところじゃないよな!?」

にこにこ笑顔で言うエリザに嬉しそうに笑う深紅。
直貴が思わずツッコミをいれるのだが。

「渡辺くん、彼女にはなにを言っても無駄だよ?」
「そうそう、エリザさんてば深紅のこととなると無駄に張り切るからね」

苦笑を浮かべる夜瀬姉妹ではなくて、夜瀬兄妹。

「で、でも銃刀法違反だよな?」
「僕らの方では普通だったけど?」
「うんうん、だから抵抗もないかな〜」

秀久がおずおずと言うと澪次とレイナはきょとんとした顔をする。
あの友ありしてこの友ありか。

「さて、それじゃあ。行ってらっしゃい☆」

というエリザの声と共に龍星達は車で連れて行かれるのだった。

「やれやれ、あんたもむちゃくちゃするねェ」
「あら、それはいつものことでしょ?」

その隣に立ったのは学園長だった。
くすくすと笑うエリザに呆れを覚えながらも。

「龍星、芹香を孫を支倉達を頼むよ」

祈りながら呟いていた。

〜〜〜キングクリムゾン!!〜〜〜

「瑠美!」
「芹ィ!」
「つぐみィ!」
「ひばりィ!」

廃工場のドアを蹴破り、中に入る4人。

「ちっ、時間稼ぎにもならんか!」
「これはこれはお揃いで」

舌打ちする教頭ともうひとりの黒ずくめのずきんをかぶった男が振り向いた。

「「「「竹原ぁ!」」」」

声を荒げる4人、怒りをあらわにしているのがすぐにわかる。

「ちょいと、落ち着くんだよん!」
「ここで冷静さをかくんじゃねーよ」
「そんなんじゃ、無事に救出できねーぞ」

そんな4人を一喝するクリス・夏川・常村の3人。

「まさか、こんなことをされているとはね」
「雨宮さん達はどこ? さもないと、死ぬことになるよ?」

澪次とレイナもぴりぴりとした気あたりをだしながら問いかける。
だが、向けているのは教頭ではなく黒いずきんをかぶった男の方だった。


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