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新・バカ達とちみっこ達と赤姫
第53問 祭りだ祭りだ☆ わっしょいわっしょい♪
アンケート
『学園祭で一番やってみたい出し物を書いてください(学園の生徒じゃない人も可)』

支倉ひばりの答え
『和菓子屋』

教師のコメント
いいですね、先生も評価します

中林宏美の答え
『スポーツ系なら何でも』

教師のコメント
元気がありますね

夏目綾香の答え
『召喚獣を使った喫茶店』

教師のコメント
それはまた素晴らしい発想ですね。



つぐみ・ひばり・和明のチームがステージに上がる。
ちなみに龍星達は喫茶店に戻っていたりする。

『準備はよろしいですか?』
「「「はい!」」」

教師に声をかけられた3人は笑顔で頷いた。

『それでは、試験召喚大会・4回戦を開始します!』

教師の宣言に従い、6人はお辞儀をしてから声が唱和する。


「「「「「試獣召喚!!(サモン)」」」」」

〜〜〜〜☆☆〜〜〜〜


文月学園屋上にて複数の人影が確認される。
数は4でそれぞれ男女に別れているようだった。
見た目は人と変わらないが彼らにはどこか違和感があった。

「ねえねえ、どっちだと思う?」
「どちらもじゃないか?」

黒髪ツインテにロングヘアの少女が問いかけると黒髪の短髪の少年が応えた。
手には複数の写真があり、それにはつぐみとひばりの写真もある。

「んなの、試せばすむことだろうに」
「ばっかじゃないの? そうそう簡単にできることじゃないのよ。
ルールもあるし監視もあるんだからね」

赤い髪の長髪の少年がタバコを吸いながら言うと紫色のくせっけのあるロングの少女がじと目で睨む。
そして口惜しげに扇子をへし折っていた。

「なんにんか失敗して消されたやつもいるみたいだしね」
「けっ、めんどくせぇことこのうえねーな。ぱぱっと燃やせばいいだろうによ」

黒髪のツインテにロングの少女が一枚の用紙を取り出して言う。
赤い髪の少年はだるそうにフェンスにもたれていた。

「これだから脳筋野郎は頭使わないのよ」
「脳には筋肉しかいってないからいけないのよね」

二人の少女は呆れたようにそれぞれけなす言葉を言うと。

「んだと!てめぇ!!」

殴りかかろうとする赤い髪の少年の手には炎が点っていた。
腕までを覆う炎が燃え上がる。

「静まらんか!」

そこへ黒い髪の短髪でアメジストの瞳をもつ男性が現れて気を放つ。
これをくらい、怯みながら振り向く4人。

「「「「総統閣下……」」」」

膝まづいてから見上げる4人。

「今は静観といこうと言いたいが、一つ試そうと思う
我らの目的に達成するための鍵かどうかをな」
「では、配下の者を呼ばれるので?」

黒髪のツインテにロングの少女が問いかける。

「いいや、ここに集まっている輩を手駒として使う。
そうすれば自ずとわかるものだ」

黒い髪の短髪のアメジストの瞳の男性が無表情で言い放つ。

「あぁん? あいつらをって使えるのかよ」
「使える、使えないかなどはどうでもいいことだ。
要はどうやって探り、あの小娘を調べるかが重要なのだ」

赤い髪の長髪の少年が鋭い目つきで見つめながら問いかける。
黒い髪で短髪のアメジストの瞳でまっすぐ見つめる。

「……なるほど、妙案ですわね」
「つまり、この祭りを利用して確認するわけですわね」

二人の少女は納得しながら尊敬の眼差しを送る。

「失敗したとしてもこちらは痛くもかゆくもねーもんな」
「総統閣下はよく考えてらっしゃる」

二人の少年も納得し、尊敬の視線を送る。

「行くぞ、ここに用はない」

そう言うと彼らを霧が包み込み、次の時にはすでに消えていた。


〜〜〜〜☆〜〜〜〜
その頃、龍星達のほうはというと……。

「お、結構盛況じゃねーか」
「みんながこんなに頑張っているんだから、当然だろう」
「宣伝効果のおかげだな」

Fクラスの教室に戻った彼らは状況を見て笑い合う。

「あ、わんこなお兄ちゃんにおっきいお兄ちゃん! お客さんがいっぱい来てくれたよ♪」

葉月は龍星達の姿を認めて、扉の方へと駆け寄ってきた。

「ありがとうな、葉月ちゃん」
「んにゃ〜♪」

龍星が笑顔で言うとしゃがんで彼女の頭を撫でた。
すると、目を細めて気持ちよさそうに笑う葉月。
その仕草はまるで猫みたいに見えた。

『お、あの子達だ!』
『近くで見ると一層可愛いな!』
『手伝いの小さな子も可愛いしな』

と、お客の中からそんな声があがる。
いないあいだにも宣伝をしていてくれたようだ。


「龍星殿。戻ってきたようじゃな。どちらが勝ったのじゃ?」

秀吉がトレイを片手に寄ってくる。

「龍兄達です」
「そうね、リュウ達の勝ちね」
「ここまでやられるとはな〜☆」

龍星が答える前に瑞希達は話す。

「そんなことよりも、数少ないウェイトレスが固まっていたら客が落胆するぞ。
今は喫茶店に専念してくれ」

雄二が周囲をみながら言うと、客の視線が集まっていることに気づいた。

「そうですよね、喫茶店の方で頑張ればいいんですから!」
「そうね。ちょっと視線が気になるけど、売り上げの為にも頑張りますか!」
「はいっ。葉月も頑張ります!」
「あたしもやるかね☆」

瑞希・美波・葉月・綾香はやる気満々で腕まくりをする仕草をした。

「ほんと、綾香は変わらないなぁ」
「そうじゃのう。さて、もうひと頑張りするかの!」

湊斗と秀吉は笑いあうとトレーを持ち直して向かう。

「あれれ、つぐみちゃんとひばりちゃんは?」
「まだ、終わってないんだろうな」

そこへ瑠美と直貴が歩いてきた。
小首をかしげつつ尋ねる瑠美に直貴は推測を話す。
これを聞いて不服そうになる瑠美。
腕の中にはつぐちー達がいるのだが、それでも足りないのか?
そうこうしているうちに新規の客がはいってきた。

「あ、いらっしゃいませー!コスプレ喫茶へ、ようこそー!」

瑠美が笑顔で近寄りながら笑いかける。
それに顔を赤らめる客を見て刀を抜きそうになる直貴がおり。
秀久と龍星が止めにはいったのは余談である。

「やれやれ、こっちはこっちで変態の相手で大変だっつうのに」
「これも魅力的な結が悪いね!」

溜息をつく結華に笑いかける明久。
彼の変態はきっと治らないだろうなと結華は思ったとか。

〜〜〜☆〜〜〜

「「「ただいま〜」」」

数分してからひばりとつぐみと和明が戻ってきた。

「おかえりなさいです〜♪ つぐちゃーん♪」
「あ、ずるい!ひばりちゃーん♪」

奏が突撃してつぐみを抱きしめ、瑠美はそれを見てひばりを抱きしめにはしる。
もちろん、これにより二人が呼吸困難になりそうだったのはいうまでもないが。

『おっ、白いゴスロリの子と白いチャイナの子が戻ってきたぞ!』
『え、どこどこ!きゃあ、本当にちっちゃくて可愛い〜♪』
『あの子達、ずるいな〜!俺もだきしめてぇ!』

つぐみとひばりに気づいた客達が振り向いてざわめいていた。
まあ、とうの二人はそれどころではないだろうが、
それより聞き捨てならない言葉がでた気がした。

「おい、奏! つぐみが苦しそうだろうが!」
「瑠美もだ、ひばりが苦しんでるだろ!」

それを止めにはいる秀久と直貴。

「「やーだ〜っ!!」」
「「もがが!!?」」

さらに抱きしめられて苦しそうにするつぐみとひばり。

「くそ、こうなれば強制的だ! 行くぞ、直貴!」
「おう!秀久!」

秀久と直貴はそれぞれ、ひばりとつぐみを助ける為に止めに腕を掴んで剥がそうとしていた。

「やれやれ、瑠美と奏にも困ったもんだな……」
「そうだね、とりあえず、手伝いに行こうか」
「あたしも手伝うよ」

この様子を見ていた龍星・和明と結華も救出に向かった。
え?明久?彼ならゆいちーとつぐちーにしばかれている。

〜〜〜〜☆〜〜〜〜☆


「それじゃ、準決勝に行って来るぜ」
「はい、頑張ってくださいね、龍兄!」
「おう!」

龍星がエプロンをはずすと瑞希は笑顔で声をかける。
彼女の頭を撫でて頷く龍星。
喫茶店の中で動き回ること1時間。
いよいよ、準決勝の時間となったのだ。


「上狼も負けたら承知しないからね!」
「わかってるよ」

美波がそう言うと苦笑しながら秀久は頷いた。

「雄二も負けるなよ?」
「ああ、わかってるさ」

綾香が近寄りながら言うと頷く雄二。

「あたしたちもいこうか?」
「そうだね!」

そうして龍星達がでると同時につぐみ達も一緒に教室を出て行くのだった。


あきゅろす。
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