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新・バカ達とちみっこ達と赤姫
第50問 祭りだ祭りだ☆ わっしょいわっしょい♪
アンケート!
文月学園に入学してから嬉しかった出来事を書いてください。

雨宮つぐみの答え
「ヒデくんや他のみんなと仲良くなれてきたことと、
みーちゃんやかなちゃん達と同じクラスでいられること」

教師のコメント
そうでしたか。
幼馴染や友達といられることの嬉しさがあふれる言葉ですね。

吉井明久の答え
結と同じクラスだったこと!

教師のコメント
嬉しいのはわかりますけど、いろいろ自重くらいしましょうね。
彼女さんが困っているので。

西崎瑠美の答え
つぐみちゃんやひばりちゃん達と同じクラスなこと!
直貴と同じ学園に通えたことも嬉しいです///

教師のコメント
可愛い物がすきな西崎さんらしい答えですね。
その想いがむくわれることを祈っておりますよ。

音吹奏の答え
つぐちゃんやひばりちゃんに出会えたことです♪
特につぐちゃんは恩人なので大好きです!

教師のコメント
百合ですか?百合なんですか?
いやいや、それはないですよね。
恩人とは、いったいなにがどうなってそうなったのだろうか?





「ただいま〜」
「只今戻りました!」
「凱旋したぞ〜♪」

3人が笑顔でFクラスへと戻ってきた。
なお、Fクラスの模擬店は大盛況となっていた。
召喚獣やぷちに運んでもらうメニューが特に人気なのはいうまでもない。

「お、ちょうどいいところに! 美波、瑞希、夏目ちゃん!
疲れているとは思うが、復帰してくれるか?」

龍星が走り回りながら、3人に指示をだす。
ちなみにもっと宣伝する為に、ぷち達を引き連れて校内を歩いたりもした。
最初は不安ではあったが、徐々に増えてきたのだ。

「はい! わかりました、龍兄!」
「おうともさ☆」
「一時はどうなるかと思ったけど、この調子なら大丈夫そうね!
よーし、ウチも頑張るぞ!」

返事を返す瑞希と綾香の隣で美波はやる気をだしていた。
そしてそのまま衣装の裾を翻して注文票やペンを取りにむかう。


「君。注文してもいいかな?」
「あ、はい。どうぞ」

声をかけられたつぐみは呼んだ人に近寄り、注文表とペンを持ちながら相手を見る。


「クッキーと紅茶を」
「かしこまりました、クッキーと紅茶ですね?」

メモを取り、注文内容の確認の為にお客さんに顔を向けると、そこには教頭がいた。
なにか嫌な予感がつぐみにはよぎっていた。できれば当たらないでもらいたい予感だ。


「ありがとうございます。後で後ほどお持ちしますので、少々お待ちください」
「それと聞きたいことがあるんだが、いいかね?」
「はい。なんでしょうか」


できるだけかかわりにあいになりたくないので、
お決まりの文句を告げて去ろうとすると声をかけられて振り向いた。
教頭と会話しているだけでなぜこうも頭痛があるのか、つぐみにはわからないでいた。


「このクラスに上狼秀久という生徒がいると聞いたのだが、どの子かな?」

ここでだした名前はなぜか秀久だった。
つぐみにはどうしてここで彼の名を出すのか理解できないでいた。


「上狼秀久君ですか?すぐにお呼びしますね」
「ああ、頼むよ」

にっこりと笑いながらつぐみは答えると、しっかりとした足取りで厨房へと向かう。

「ほいっと」
「わぷ!? お、お兄ちゃん?」

厨房に入った途端に抱き寄せられて目を丸くしながら驚くつぐみ。
妹分の些細な仕草でもなんとなくわかるのが龍星である。

「つぐみちゃん、大丈夫? 顔色わるいよ?」
「なんかあったのか?」

そこへひばりと綾香が歩いてきて心配そうに伺っている。

「うん、大丈夫。ちょっと体調がすぐれないだけだから」

二人に苦笑を見せながら答えるつぐみ。

「ふ、ふふふふ……つぐみちゃんを苦しめるなんてドウシテクレヨウ」
「お、落ち着け、瑠美!」

厨房にはいつのまにか瑠美と直貴がおり、包丁に手をかけているのを見て止めているようだ。

「るー!」
「るるー!」

足元でご立腹の奏にそっくりなぷちのかななんと瑠美そっくりのぷちであるみーるがいた。
それぞれ奏と瑠美と似た衣装を着ているようだ。

「んなァ!」

そんな二匹をなだめているのが直貴そっくりのぷちであるなっくんだ。

「離してください、瑞希ちゃん! あいつを殺せません!」
「駄目ですってば! そんなことしたらよくないですっ!」

もう一方で声が聞こえたのでそちらを向くと、そこには……奏と瑞希がいた。
ハイライトを消した奏をなんとか取り押さえようとしているようだ。

「なんか騒がしいことになってるけど、なにがあった?」
「それは僕も気になるところだね」

結華と明久は注文票を手に戻ってきていたのか、不思議そうだ。

「ああ、実はな……」

龍星がさきほどの事を結華と明久に話した。
それを聞いて顔をしかめる二人は不機嫌そうになっている。

「それって、頭痛の原因がわからないんだよね?」
「……うん、どうしてかね。痛みがはしって」

事情を知ったひばりがつぐみを支えながら問いかけると彼女は頷いた。

「なァ、ミナ」
「うん、もしかしたら……なにか関わり合いがあったのかもしれないね」

思案しながら綾香が湊斗に声をかけると彼は頷いた。

「頭痛ね……。とりあえず、つぐみは近寄らない方がいいな」

話を聞いていた当夜がつぐみから注文票を取るとそう告げた。
それを聞いて申し訳なさそうにうつむいた。

「えっと……頭痛の原因が不明だから、仕方ないと思うよ?」
「うん、そうだよね。ひとまずは他のことで頑張るよ!」
「その意気です、つぐみちゃん♪」

ひばりがそう声をかけると頷いてやる気を見せる。
瑞希はそれをきいて笑顔で言う。

「なにやってるんだ?」

そこへ訝しげな秀久がトレーを持って歩いてきた。

「あ、ヒデくん! 教頭先生が用あるみたいだよ?」
「は?教頭が? なんでだ? とりあえず、行くか……」

つぐみが秀久に話すことをつげると困惑しながら厨房から出ていく。


「俺が呼ばれた、上狼秀久ですけど」
「ああ、そうかい。君が上狼君(不憫)か」
「教頭先生。人の名前に(不憫)はおかしいかと思います」

教頭の秀久の呼び方は確かにおかしかった。
誰もがツッコミをいれたくなるほどな呼び方だ。


「ああ。すまない。
だが、私はどうしても教え子である君の事を上狼君(わんこ)とは呼べなくてね」

内心ではさらに酷い呼び方になっているが、これはわざとだろうか。

『あの、俺は職員室ではなんて呼ばれているんですか……?』

若干不機嫌そうな感じで教頭に質問している秀久。
まあ、聞いたとしても話すわけないが。

「リュウ、厨房の土屋から伝言。茶葉が無くなったから持ってきて欲しい、だって」

話を聞き耳しようとしていると龍星に美波が近寄ると告げる。

「わかった、行ってくるぜ」

龍星はそう言うと厨房から出て教室の扉をあけて出ていく。
ストックのある教室にいくだけなので、そうは時間はかからないであろう。

「さーてと、茶葉やあんこはどこかね〜……ん?」

空き教室の前にたどり着くと、そこは空いており、中には3人ほどの男性がいた。
手にはなにか薬瓶のようなものがあった。

「ちょっといいかい? ここは部外者は立ち入り禁止なんだけど?」
「げ、気配すら気づけなかった!」

龍星の声に気づいて振り向くと男性の一人は青ざめて舌打ちをする。
と、その時だった、男性の中の一人が龍星に殴りかかろうとしたのだ。
だが、龍星はそれをあっさりと相手の拳を掴むことで止めた。

「ちくしょう! これでもくらェ!」

男性の一人が回し蹴りを放つが、これもたやすく龍星にいなされてしまう。
ふと、男性の手の中に視線がいき、それを見て目を細める。

「おイタはしちゃいけーなァ?いけねーよ」
「ぐご!」
「がっ!」

そう言いながら二人の頭をつかんで、頭突きをさせることで気絶させる。
これを見て怯えながら逃げようとした瞬間だった。

「おっと、逃がすかよ」
「よお、榊。風紀委員の到来だぜ?」
「およよ、なにやら起きてたみたいだねい☆」

その前方を塞ぐように現れたのは常村と夏川と金髪ブロンドの少女であるクリスだ。
これには驚いて座り込む男性。
この拍子に液体のはいったものを落とす。

「グッドタイミングだな? さすが、風紀委員というところか」

龍星は歩きながら男性の落としたものを拾うと。

「やで!」

足元から声が聞こえてきたので、そちらに渡す。
よく見ると深紅そっくりのぷちだ。
違うところといえば、大きさと獣耳と尾くらいだろう。

ドドドドーーー。

振動と共に土煙をあげるように現れたのは、鉄人の異名をもつ『西村教諭』だ。

「連絡すまないな」
「いや、たまたまさ。 みっちりと教育してやってくれよ」

西村教諭が夏川に礼をいうと彼はニヒルに笑いながらつげた。
それを聞いてふっと笑うと西村教諭は3人の男性を持ち上げてこの場から去る。

「ところで、そっちの方は?」
「ああ、俺達のクラスメイトで」
「代表だった人だ。 ちょいとわけありで離れていたんだよ」

龍星の問いに苦笑しながら常村と夏川は話す。

「はじめましてだねん♪ あちしはクリス・ウェストロード!
クリスって呼んでねい♪」

ウィンクしながらクリスは自己紹介を龍星にした。


あきゅろす。
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