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新・バカ達とちみっこ達と赤姫
第1問
(化学)
問.以下の問いに答えなさい。

調理の為に火をかける鍋に製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。 この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つあげなさい



〔姫路瑞希の答え〕
 問題点
  マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応する為、危険であるという点

 合金の例
  ジュラルミン

〔教師のコメント〕
 正解です。 合金なので『鉄』では駄目というひっかけ問題なのですが、姫路さんはひっかかりませんでしたね



〔土屋康太の答え〕
 問題点
  ガス代を払っていなかったこと

〔教師のコメント〕
 そこは問題じゃありません



〔吉井明久の答え〕
 合金の例
  未来合金(←すごく強い)

〔教師のコメント〕
 すごく強いと言われても




「おはよう、姫路に雨宮」
「「おはようございます!」」

玄関の前でドスのきいた声に振り向くと、そこには浅黒い肌をした短髪の、いかにもスポーツマン然とした男性が立っていた。

「これがクラス分けの結果だ。受け取れ」


先生が箱から封筒を取り出し、つぐみと瑞希に手渡す。宛て名の欄には『姫路瑞希』・『雨宮つぐみ』と書かれていた。


『『ありがとうございます』』

笑顔で受け取るつぐみと瑞希。
普通は中身を見るのだが、彼女達にはすでに結果がわかっているのだ。


「しかし、残念だったな?」
「体調管理ができてなかった私が悪いんですから、仕方ないですよ」
「みーちゃんたら」

残念そうな西村教諭に苦笑する瑞希。
彼女の言葉を聞いて呆れるつぐみ。

「本当に仲が良いな、お前らは。 さ、教室に行くといい」
『『はい!』』


微笑ましそうに見つめられてから促されて、つぐみと瑞希は歩き出して校舎を目指す。
途中で大きな声が聞こえたが、いつものことだとわかっていた。


「うわ・・・・でっかい」


瑞希は保健室に用事がある為、つぐみは先に教室へと向かっていた。
その途中でAクラスの教室を見つめるつぐみ。

「あ、芹ちゃんと深紅ちゃんだ!おーい!」

つぐみは見知った女性を発見すると手を振る、それに気づいて小さく手を振り返す少女達。

「二人ともAクラスなんだね〜」

少し残念そうにつぶやくと再び歩き出すのだが・・・。
宙ぶらりんな状況になっていた。
まあ、彼女には誰がしているのか理解できているが。

「よお、つぐみ」
「結ちゃん、襟首がくるしいよ」
「見てないのに声だけでわかるなんてつぐみはさすがね〜」

見なくてもわかるので抗議するのだが、あんまり意味がない。
そして、明久は助けようともしないという。

「おっと、悪い悪い」
「もう、そんなことしなくても声をかけてくれたらよかったのに」

そう謝罪しながら下ろす結と呼ばれた少女。
振り向くと白い髪のポニーテールの少女をじと目でみつつ、明久を恨みがましそうにみてから注意する。

「いや、サプライズも必要かと思って」
「こんなサプライズはいらないよ」

明久が笑うとつぐみは深い溜息をもらす。

「そいつらに何を言っても無駄だと思うぞ?」
「秀久の言うとおりだな」
「つぐみちゃーん♪会いたかったよ〜♪」

そこへ背後から声がし、視線を向けると直貴と瑠美と秀久がたっていた。

「瑠美ちゃんに直貴くんにヒデくん、おはよう♪って、あれ?」

つぐみはにこと笑みを見せながら挨拶をする。
背後にいる自分と同じくらいの少女と少年と学校中で有名な二人の男女に気づく。

「ん? ああ、こいつらは」
「はじめまして、支倉ひばりです。こっちは」
「ひばりの幼馴染で一ノ瀬和明、よろしくね」
「おっす! あたしは夏目綾香だ、よろしくな☆」
「僕は綾香の従兄妹の佐倉湊斗、よろしくね」

それに気づいて直貴が口を開く前に四人は自己紹介をした。ぺこりとお辞儀をしたのは一ノ瀬夫妻と綾香の従兄妹の湊斗だけだ。

「はじめまして、私は雨宮つぐみ。よろしくね?」

つぐみは驚きはしたが笑みを浮かべて挨拶を返す。
そしてそのままつぐみ達は談笑しながらクラスへと歩き出すのだった。


あきゅろす。
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