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魔法戦記リリカルなのはForce鋼鉄の騎士
第四十六話
「スティード!うおお!よく帰ってきてくれたぁ〜〜!!」
『ご心配をおかけしました』

感涙の涙を流すトーマにスティードが返事を返す。

「なんだ、どこかに行ってたのか?」
「そうなんだよ、リュウセイさん! 
俺が連れていかれた場所にはスティードもいて」

ツグミを背中に貼り付けていたリュウセイの問いにトーマは頷いて話す。

「そうだったのか。元気そうでよかったじゃないか」
『はい、おかげさまで』

アヤトが言うとスティードはぺこりと頭を下げる仕草をする。

「悪かった……お前のこと助けてやれなくて」
『いいえ、あなたが無事でなによりです。 リリィさんもお元気そうで』
「うん、スティード」

申し訳なさそうなトーマに気にすることはないと告げるスティード。
視線をリリィに向けて声をかけると嬉しそうに笑うリリィ。

『ああ、アイシスさんの荷物も預かってきているんです。
アル氏が「どうせ捨てるだけだから持ち主のところに捨ててこい」だそうで』

スティードの言葉に文字通り笑いながら言ってそうなアルナージを思い浮かべるトーマ。

「あたし愛用の財布と爆薬とネイルセット、全部ある!?」
『ええ、特になにも盗ってないとのことで』

つかつかと歩み寄り、尋ねるアイシスに気圧されながら話すスティード。
ウェンディは呆然としており、ティアナとユウヤは苦笑を。

「ーーーさてあたしはそろそろ戻るよ」
「なんだ、もういいのか?」
『えー、もっと遊ぼうよ〜』

立ち上がるノーヴェにリュウセイが問いかける。
足元にいた赤い狼ことルイセが不満げだ。

「無事な顔見られたんで安心したしな。友達もできたようでいいこった」

そう言いながらトーマの頭を撫でるノーヴェ。

「ありがとう、ノーヴェ姉」

照れくさそうに礼を言うトーマ。

「ルイセもまた遊んでやるよ」
「じゃ、ヴィヴィオにもよろしくな」

ルイセの頭を撫でてから歩いていくノーヴェにリュウセイが声をかける。

「ああ、今度こっちに連れてくるよ」

そう言いながらノーヴェは去る。
手には鞄を持って。

「お兄ちゃん、ヴィヴィオって?」
「ああ、なのは姉ちゃんの娘なんだよ。教会系の学校に通ってる女の子でな、
トーマの二つ下だ」

ツグミがリュウセイの隊服の袖を引っ張りながら尋ねる。
リュウセイはそれに気づいて笑みを見せながら話す。

「そうそう、それでノーヴェ姉が格闘技を教えてるんだ」

話を受け継ぐようにトーマも会話に加わる。

「「へ〜」」

ソウガとアヤトは納得した様子でつぶやいた。

「あ、いたいた。トーマ君、リリィちゃん!
寮の部屋割りの件決まったわよ」

そこへシャマルが歩いてきた。

『シャマル〜♪』
「きゃ!?もう、ルイセちゃんは元気ね〜」

飛びついてきたルイセに驚きながらも頭を撫でるシャマル。

「あの、シャマル先生?」
「え?ああそうそう。トーマ君とリリィちゃんはやっぱりできるかぎり、
近くにいないと危ないってことで、当面は同部屋になっちゃうの」

トーマが声をかけると我に返り話しながら申し訳なさそうにトーマとリリィを見る。

「一人部屋をカーテンで仕切るから……悪いんだけど。
当面は一緒にいてね」
「わたしは全然」
「ああその俺も……」

シャマルの言葉にリリィは気にしていない様子で答え、トーマも即答する。
ウェンディとティアナとユウヤはなんとも微妙な顔をする。
スバルはルイセと遊んでおり、不思議そうだ。

「あ!それならあたしも一緒に! せっかくだから3人部屋!!」

手を上げて挙手するアイシス。

「実はそれもそのつもりだったんじゃないのか?」
「うふふ、さすがね。リュウセイは♪ 
エクリプスやディバイダーになにかありそうな時、
一番に対応するのがアイシスちゃんの仕事よ」

リュウセイの問いにシャマルは笑いながら同意し、アイシスを見て告げる。

『(あなたもいろいろ大変そうですね)』
「(まあ、キャンプ暮らしの延長と思えば別に……)」

こそこそとスティードとトーマは話し合う。

「まあ、2人よりは3人がね」
「3人とも仲良くねー」
『『『はい!』』』

苦笑を浮かべるティアナの横でスバルがトーマ達を見て言うと。
3人は声を揃えて頷いた。

「あと、そちらのソウガくんとアヤトくんの方は2人づつで寮入りね。
リュウセイは……昔にあった部屋でいいかしら?」
「ああ、それで構わないよ」

シャマルが次々に決めていくとリュウセイは頷いた。
ツグミの頭を撫でながらだが。

「あ!そうだ、スゥちゃん、ティア姉!
まだちゃんと言ってなかっあ。 いろいろ心配かけてごめん。
まだまだこれから大変なこともあると思うけどーーだけど、
俺の旅行はひとまず終わり。もうフラフラどっか行ったりしないし、
なるべく心配かけないようにする。
だから、ただいま、スゥちゃん、ティア姉」

スバル達に近寄り、咳払いをひとつしてから笑顔を浮かべるトーマ。

「うん……。おかえり、トーマ」

スバルは涙を拭いながら出迎える。

〜〜〜☆〜〜〜
ヴァンデイン・コーポレーションの襲撃事件から数日が経過。
フッケバイン構成員の足取りは以前つかめず捜査は膠着していたが、特務本部のEC対策と装備対応人員の強化は確実に進行していた。

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