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帽子屋の狂い言
Halloween Tea Party
「おい帽子屋ぁ」
「なんですか? 眠りネズミ」
「1つ聞いていいか? なんたってこんな忙しい時に三月がいないんだ? 実質働いてんのオレだけなんだけど」
「聞いていませんか? 今日の三月は、現在アリスが住んでいる元三月の家に、芋虫と共にお泊り中ですよ」
「ややこしいな! つまり、現あいつの家に三月と芋虫がいるのか。そろそろ来こねーと茶会の開きよーがねーじゃん!!! 呼びに行って来ようかな」
「それは野暮というものですよ。時間になったら来るでしょう。それより眠りネズミ、紅茶が切れました。つぎはハーブが良いですね」
「茶会の準備を1人でしているオレにこの仕打ち! ったく、クッキーできるまで待ってろ!!!」

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「ふぅ、何とか出来上がったわね」
「・・・・・・よかった・・・・・・」
「寝不足だけど、とりあえず走るよ! これ以上遅れたら眠りネズミの機嫌が悪くなるっ」
「いや、既にもう悪くなってる気がするわよ、三月」
「・・・・・・そう・・・・・・かな」
「眠りネズミは、終始不機嫌のカタマリじゃない?」
「まぁねー。だけど、木の実と植物図鑑見せれば機嫌良くなるよ」
「本当単純ね。そういえばっ、」
「大丈夫・・・・・・? アリスちゃん」
「もう走れないー!」
「わ・・・・・・ワタシも・・・・・・」
「なっさけないなぁ! 仕方ない、あとは早歩きで。ほらっ、競歩っ!」
「適当に木の実のお土産でも持って行ったら良いわよ・・・・・・そういえば、前に植物図鑑みせてもらったんだけど」
「あ、この実は・・・・・・香料にいい・・・・・・よ。お土産になる・・・・・・かも」
「帽子屋さんの庭に年中色んな花が咲いてるじゃない? 気になる花があって調べたんだけど、あれって『紫陽花』っていうんですって。でも、その花は6月頃に咲くって。今ハロウィンだから10月・・・・・・」
「帽子屋邸には色んな種類の花があるもんなぁー。なぁ芋虫、その『紫陽花』にはどんな効用があるかわかる?」
「そうね・・・・・・いろいろな色の花が咲くから、私は染料にしたりも・・・・・・する」
「へぇー知らなかった」
「芋虫は物知りね。木の実博士は眠りネズミだけど、花博士は芋虫ね」
「ついでに針仕事も芋虫だな、アリス」
「悪かったわね、不器用なあたしで!」
「着いたよ・・・・・・アリスちゃん」

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「おっせーよお前らっ!!! オレがどんだけ大変だったと思ってんだ!!!」
「ごめんね眠りネズミっ」
「ほら、お土産採って来たから」
「これ・・・・・・香料にいい・・・・・・実なの」
「!・・・・・・べ、別に今から手伝えば良いんだからなっ!!! 大人しくさっさと支度すれば良いぜ!!!」
「ホントだ、機嫌が治った!」
「何か言ったかっ!?」
「いえ何もっ!」
「お帰り、三月。ようこそいらっしゃい、アリス、芋虫」
「帽子屋さん・・・・・・お邪魔します」
「別にお前ら客じゃねーから。邪魔しに来たんじゃなくて、手伝いに来たから」
「良いじゃん、さっさと机やティーセットを運ぼう」
「その前に三月。紅茶が切れたから、次はセイロンを・・・・・・」
「はいはい」

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「ではっ、準備も終えたところで」
「あたしたちからハロウィンプレゼントよ」
「・・・・・・です」
「は?」「はい?」
「ほら、昨日からアリスん家に泊まってたじゃん? 3人でこれを作ってたってわけ!」
「・・・・・・です」
「芋虫の針捌きが良くて! 芋虫がいなかったら一日で完成しなかったわ。まあ、三月もよかったけど」
「たま〜に帽子屋の帽子作りの手伝いしてるからね」
「で、なに、これ」
「じゃーん! ハロウィンの衣装っ」
「で、なに、それ」
「2人に合うように作ったんだからっ」
「眠りネズミには、カボチャに因んでカボチャパンツとオレンジの帽子。この上着のデザインはわたし。んで帽子屋には、コートと帽子とおっきなリボン。デザインを合わせるのに苦労したんだよー」
「ズボンも・・・・・・全部手縫い・・・・・・です」
「女子3人が夜なべして作り上げた最高傑作なんだから、無下にはしないわよね?」
「・・・・・・ぼ、帽子屋。もっと紅茶いるよな。クッキーもいるよな。まだ準備は終わってないよな」
「・・・・・・そうですね眠りネズミ。とりあえず私がお湯を沸かしてきますから、貴方は彼女たちの相手を」
「普段しない奴が何言ってんだよ。火を使うのは危ないぜ、ほらここ座ってろって」
「なに逃げようとしてるのかな、眠りネズミ?」
「あたし達の傑作!」
「よろしく・・・・・・ね」

「いいいぃやああぁあだああああぁあ」



End

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あきゅろす。
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