NandS
其の3
その頃一年三組の教室では……

ちょーウケル!誠一ったら何あの顔っ!!最高ぅ!!

「………ぷっ……」
一人七海が片腹を痛めていた。

さぁ〜て調査によればこの後は二年が体育館の片付けだから、帰りは…………クスッ!楽しみぃ〜♪♪

周りから白い目で見られていることに気付かない七海。担任は触らぬ神に祟り無しを決め込み完璧にスルーしていた。

ヴーヴーヴーヴー

ヴーヴーヴーヴー

そんな時七海の携帯が鳴った。いや正確には震えた。

誰……?

七海は携帯開きを覗く。


件名 香村七海 嬢
本文
噂に名高いK.S.N殿に折り入って頼みたい。
このメールは見られている可能性が高い為、出来れば直接話がしたい。
場所は××市11-3-54、喫茶店だ。
報酬は弾む。
----END----

と言う内容だった。

随分と一方的な依頼ね。しかも、あたしの名前まで知ってるなんて只者じゃない。この依頼請けない方が善いかもしれない。……………………で、でも報酬は弾むって幾らぐらいかしら?もしかたらドーンとだしてくれるかも………魅力的だわ。…………嗚呼!どーしよっ!危険とお金秤にかけたら、かけるまでもなくお金よ!そーよ話だけ聞いて報酬がショボきゃ蹴ればいいんだしぃ〜♪♪時間指定はないから誠一ひっ捕まえて有無を言わさず連行!!
よし決定!!
そうと決まれば早速行動あるのみ!

 ガタッ!

七海は勢い良く立ち上がり教室のドアへ向かう。
「えーっと、かっ香村さんっ!まっまだホームルーム終ってないのだけど…」
怖ず怖ずと言った調子で一年三組の担任、佐波幸乃は声を掛けた。
「えっ?!」
七海はこの時はじめて教室に意識を向けた。途端に顔を赤らめて小さく「すみません」と言うと慌てて席に戻った。耳まで真っ赤に染めながら七海は胸中で悪態を吐く。

どれもこれもみーんな誠一のせいなんだからぁー!!

見当違いな事で延々と誠一を罵る。自分の過失を認めない。それが香村七海と言う人物だ。

後でぜぇーったいっ!痛い目見せてやるぅ!覚悟しときなさよいよ!誠一!!

そう胸中で叫ぶと七海はホームルームが終るのをじっと待った。

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