白くまマン
映画デビュー

「白くまマーン!」

 その声は辺りに響き吸い込まれていった。

「……」

 暫しの沈黙の後それは唐突な出現だった。
 目の前に埋める白い煙。広い空間であるにも関わらずその煙は一向に晴れる気配を見せない。
 段々不安になり始めたその時、噂のそれは唐突に姿を顕わした。

「これが噂の……!」

 煙はいつの間にか消え広い空間には白熊とそれを呼んだ人が一人。

「白くまマン! 君にお願いがあるんだ!」

 白熊――白くまマンは首を振り頷いた。

「是非とも君に映画出演をしてもらいたいんだ!」

 しっかりと白くまマンの腕を掴みながら更に言う。

「この映画はきっと成功する! 私はそう確信している。どうだろうか? 白くまマン。是非とも君の意見を聞きたい」

 白くまマンはコクリと頷いた。

「そうかやってくれるか!」

 映画「白くまマン」はこうして幕を上げる。

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あきゅろす。
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