白くまマン
誰しも一度はありそうな事
今年の夏休みは最高に楽しかった。じいちゃんの家に行ってクワガタを捕ったり、友達とプールに行ったり、家族で遊園地にも行ったり。あ!花火大会にも行ったっけ。
今年は本当にに色んな所に行ったなぁー!
でも友達の慎也に言われて気付いたんだ。それは…宿題をやっていないと言う事を…!
どーしよ…夏休みは明日で終わり。残ってる宿題は、日記・読書感想文・計算ドリル・漢字ドリル・自由研究・英語のプリント数枚。
…。
全部じゃん…!!
なんて事だ、こんなにあったなんて…。父さんと母さんはオレが宿題終わってると思って色んな所に連れて行ってくれたから頼めないし、姉ちゃんだと「ヤダよ、あたしはこれから彼氏とデートなの」って言われたし。
マジでどうしよう。
あっ慎也に聞いてみよう。

プルルルルプルルルル
プルルガチャ

『はい中山です』
「あっ慎也?オレオレ」
『オレオレ詐欺ならお断りですけど』
「ちがうっつーの!正樹だよっ」
『わかってるよ。で、何?』
「宿題終わってないんだけど見せてくれない?」
『ヤダ』
「…ですよね」
『アイツに頼めばいいじゃん』
「え?」
『白くまマン』
「…何それ」
『知らないの?ハッ遅れてるね』
「なっ、鼻で笑うなよ!で、何それ」
『おっと失礼。白くまマンって言うのは呼べばどんな事でも助けてくれるっていうお助け白くまだよ』
「ふーん」
『信じてないだろ。とりあえず呼んでみな、それじゃ』

ガチャ

なんだよそれ…。
んー、とりあえず呼んでみるか。
「白くまマン助けてー」
!!
何この白い煙!
ってあーーー!
白くま!!
「…助けてくれる?」
頷いたよ。あ、シャーペン持って作文用紙に書いてる。
よっしゃ、オレも頑張るぞ!


始業式。
何とか終わらせられた宿題を鞄から出していると慎也が来た。
「頼んだの?」
「おう!おかげで助かったぜ!」
「ふーん…見せてよ」
「?あぁ」
作文やらドリルやら、白くまマンがやってくれた物を渡した。
「…っく」
そしたら急に慎也は笑い出したんだ。
「何?」
「いや?なんでもないよ?」
そう言って笑いを堪えた様な締まらない顔のまま慎也は自席に戻って行った。
何だったんだ?と思って宿題を見てみた。
「………。」
開いた口が塞がらないとはこの事か。
字が汚い。
他の宿題も同様に読めるか読めないかの微妙な字だった。

…今日宿題は出さないでおこ。

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あきゅろす。
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