TickeT 待ち受ける壁(2) 僕はいい話題になるのではないかと思い、彼の事、チケットを貰った事、その時感じていた事を少しでも文字として残しておこうした。 しかし、いざ書こうとすると、チケットの事ばかりが気になってしまい、思う様には捗らず、今日は無理だと投げ出していた。 書こうとしても身が入らないので、気を静めてもうそろそろ眠ろうとしていたそんな時、突然僕は違和感に襲われた。 物音はしないが玄関に人がいる。何故だかそれが僕には分かった。 僕は居ても立っても居られなくなり、そっと扉に近付いてみる事にした。 近付いてみて確信した。扉の向こう側から明らかに人の気配がする。 僕は扉の近くで立っていた。チャイムを鳴らしてくれたり、扉を叩いてくれたり、扉の向こうで何かしてくれるのを待ちながら。 [back][next] [戻る] |