TickeT
不思議な男(4)
「貴方がチケットをお受け取りした事で、チケットは貴方のことを持ち主だと認識しました。
しかし、できるだけ他の人には見せたり、触らせたりしないで下さい。チケットの力がその人、この世の中にどんな影響を与えるか分かりませんので……」
言い終わると少し間ができたので、これで話が終わったのかと思い、僕はチケットを眺めていた。
「最後に一つだけ……」
彼が再び、閉じていた口を開いたので、僕は彼の声に耳を傾けた。
「もし、七日間以内に何も起きなかったり、分からない事があったりすればこれを……」
彼はポケットから、今度は名刺を差し出した。
「──裏返しにして窓の側に置いておいて下さい。そうしていただければ、その日の翌朝には必ず、私がこちらに伺いますので」
彼は黒い小さな手帳を出して、何かを書き込み始めた様だ。
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