TickeT 望まぬ不死者(2) 「希望…。もしかして…あのチケットの事…。だったら君があの…A氏なんですか」 「A…、何だそれは。俺はそんな事知らん。俺に分かるのは、お前の側に俺の欠片が在るって事だけだ」 「僕が持っている決定権──君の…死」 「そうだよ、俺の死だよ。お前に持っていかれたせいで俺は…俺は…」 何て言えば良いのか、全然分からなかった。 「……」 ──死ねなくなったんだ 予期せぬ言葉だった。またそれは夢の中での様な淡い言葉だった。 「…えっ、どういう事…。死ねなくなったって」 「ははっ、そんな事を言うか。だったら黙って見ていろ」 そんな時、どこが光源ともなく周りが段段と明るくなっていった。 [back][next] [戻る] |